こけないお守り、力が発揮できるお守り
さてここまでいろいろな理屈を述べてきましたが、私はというと単純に「お守り」が大好きです。理由は「かわいい」からです。たくさん持っていすぎるので、できるだけ買わないようにと心がけているのですが、かわいいお守りを見かけるとつい買ってしまっています。
ここからは、私が買った中で印象に残っているお守りをいくつか紹介しましょう。
(1)「こけざるの梅」堀越神社(大阪)
堀越神社は、四天王寺のすぐ近くに鎮座している歴史のある神社です。「堀越さんは一生に一度の願いを聞いてくださる神さん」として有名です。大好きな神社で大阪出張の時はよく参拝させていただいています。ちなみに「一生に一度の願い」はまだ発動せずに今後の人生に残しています。
堀越神社には、「こけざるの梅」というユニークな名前のお守りがあります。その由来は堀越神社のサイトによると以下の通りです。
古来より、申年の梅には「神が宿る」と伝えられ、食すると「申年の梅は薬になる」と、また所持すると、「こけない」「転倒しない」お守りと珍重されました。堀越神社では申年の梅を古来の伝統にのっとり奉製し、こけないお守り、即ち「こけざるの梅」と命名しました。
中に梅が入っているので(見てはいないですが)、膨らんでいるのが特徴です。ネーミングがユニークなのと、実際にも比喩的にもこけたくはないので、ついつい買ってしまいます。今、持っているお守りは四代目くらいです。
(2)「力」守 毛谷黒龍神社(福井)
毛谷黒龍神社は、福井駅から徒歩15分くらいの場所にある神社です。日本古来の四大明神のひとつとされ地元で「くろたつさん」と呼ばれ親しまれているそうです。私は福井出張があった時は足羽神社とセットで早朝に参拝させていただいています。
そこで売っていたお守りが、白地に金の文字で「力」とだけ書かれたお守りでした。白地に金もいいし、「力」という漢字一字もいさぎよくていい。一目惚れして買ってしまいました。自分に必要な「力」を授けてくれそうです。
(3)「御神砂守」日御碕神社(島根)
日御碕神社は、島根半島西の端の海岸に鎮座する神社です。出雲大社から稲佐が浜を経由して車で20分程度、海岸沿いの道を走っていると、眼下にまるで竜宮城のような鮮やかな社殿が見えてくるので気分がアガります。桃山時代の神社建築として、社殿のすべてが重要文化財に指定されています。
『出雲国風土記』に「美佐伎社」と記される歴史ある神社で、天照大御神を祀った下の宮「日●宮」(ひしずみのみや、●はさんずいに冗)と素盞嗚尊を祀った上の宮「神の宮」の2社からなり、両社を総称して「日御碕神社」と呼びます。伊勢神宮が「日ノ本の昼を守る」のに対して、日御碕神社は「日ノ本の夜を守る神社」として、地元民からは「みさきさん」の愛称で親しまれています。
日御碕神社には、「御神砂守」と呼ばれる特別なお守りがあり、厄除けのご利益があるということで人気です。本来は地鎮祭用にお清めとして使うお砂でしたが、それによって奇跡体験が起こったと噂になり、お守りとして配布されるようになったといいます。以前は社務所を訪れて「お砂をいくつお譲りください」とお願いしなければならなかったらしいですが、私が訪れた時(2023年秋)には、普通に販売していたので、それは買うの一択でしょうと買わせていただきました。お守りは、袋の上部がきちんと絞められていなくて、透明の袋にぱんぱんの納められた「お砂」が入っているのが見えます。お守りの中身が見えるのは珍しいですね。
お守り袋は金色でデザインはとても上品ですが、砂がみっしり入っているので普通のお守りに比べてずしりと重いです。
余談ですが、この神社のすぐ先にある日御碕灯台も観光スポットで、ここから見下ろす日本海は怖いくらいの絶海でAwe体験ができます。