お守りコンプリートの後は絶景と温泉へ
(6)「草」守 彌彦神社摂社草薙神社(新潟)
越後一宮・彌彦神社は地元新潟では「おやひこさま」として親しまれています。私も大好きな神社で、参拝すると故郷でもないのに「戻ってきた」という感じがしてほっとします。鬱蒼とした森に囲まれた広大なお社で、見どころも多いです。
弥彦山を背に立つ本殿は荘厳で本当に美しいです。ここでは、通常よりも拍手が二回多い、「二礼四拍手一礼」での参拝が流儀です。公式サイトによると「由来はわからないがより丁重に御神前を拝する心を表す作法として、代々の神職等が伝えてきたもの」とのことです。
摂社・末社も多く、境内外を合わせると18社あります。彌彦神社で特徴的なのは、この摂社・末社のうち11社のお守りがあるということです(摂社・末社のお守りがある神社はかなり珍しい)。それぞれ色が違い、その神社の冒頭の漢字が書いてあります。祓戸神社であれば「祓」、勝神社であれば「勝」、草薙神社であれば「草」、乙子神社であれば「乙」という風に。
デザインもいいし、手触りもいい。私は「草」と「祓」を何度か買っています。「草守り」は萌黄色で、「祓守り」はアイボリー。それぞれ「出世」と「除災招福」のご利益があるそうです。
祓戸神社は道一本挟んだ境外にあり、祓戸四柱「瀬織津比賣神」「速開都比賣神」「気吹戸主神」「速佐須良比賣神」をお祀りしていて、ここで罪・穢を祓ってから本殿に参拝することが推奨されています。この祓戸神社は雰囲気のある森の中に鎮座していて、本当に清められた気になります。
お守りにはなっていませんが、境外末社である「上諏訪神社」は、彌彦神社と弥彦駅の間の住宅街の中にある穴場的なスポットです。小さく簡素な神社ですが、推定樹齢800年の大けやきを始め、巨木に囲まれていて落ち着くお社です。
時間があれば、神社の登山口を少し歩いたところから出ている、ロープウェイに乗って弥彦山に登ってみてください。ロープウェイの駅から山道を20分くらい歩いたところが山頂で、彌彦神社の奥宮にあたる御神廟が鎮座しています。標高634メートルで越後平野が一望でき、晴れていれば日本海に浮かぶ佐渡島まで眺めることができます。
神社の近くには弥彦温泉や岩室温泉などの温泉郷があります。どの温泉も素晴らしいので参拝と合わせて行くのもいいですね。私は余裕がある時は、新潟や燕三条などで仕事があった後、どちらかの温泉に泊まって、翌朝に彌彦神社にお参りします。弥彦温泉なら徒歩ですぐ行けますし、岩室温泉は歩くには遠いですが、神社まで送ってくれる旅館が多いと思います。
余談ですが、岩室温泉街のはずれにある「多宝温泉だいろの湯」は、天然温泉100パーセント源泉かけ流しで、しかも種類の違う3本の源泉(色が違う!)が楽しめるという、かなりレアな日帰り温浴施設で超オススメです。
私は以前新潟のローカルアイドルNegiccoのマーケティング本を出版した関係で、頻繁に新潟に行っていました。しかしコロナ禍以降、途絶えてしまっています。この原稿を書いていて、また新潟や彌彦神社にとても行きたくなってしまいました。