胃腸の働きもよくなり、
体の調子がグングンよくなる

 姿勢が悪いことが腰痛につながるということは、すんなりと理解できる方が多いと思います。
 しかし、姿勢が悪いと胃腸の調子も悪くなる、心臓や肺の働きも悪くなる、と聞いたらどうでしょうか。それはあまり関係ないと思う方が多いかもしれませんね。でも実際は姿勢と内蔵機能の関係はとても深いのです。

 背骨を丸くする猫背の姿勢は、腰痛や肩こりの原因になるだけではなく、腹部にある胃や腸などの消化器官、そして胸部にある心臓や肺などの内臓を圧迫して、その機能を低下させてしまいます。

 猫背だけでなく、体をねじるような悪い姿勢も、とくに腹部の消化器官に悪い影響を与えて、消化機能が低下してしまうのです。
 とくに食事中によい姿勢を保つことは大事です。猫背の姿勢で食事をすると、胃が圧迫されるせいで消化不良を起こすこともあります。どうも胃腸の調子がよくないとか、食事のあと、すぐに下痢をしてしまう、という症状があるときは、食事中の姿勢を見直してみるといいでしょう。

 一方、正座をした状態は、消化器官に圧迫やねじれといった余計な力が加わらないので、その機能を十分に発揮することができます。子どもの頃から誰もが「お行儀よく食べなさい」と言われてきたと思いますが、それは食事マナーだけの問題だけではなく、内臓の機能をしっかり発揮して、栄養をしっかり吸収する意味でも大切なのです。

 腹部の消化器系と同じく、胸部の内臓も姿勢の影響を受けます。猫背の姿勢は、心臓や肺などに負担をかけてしまいます。正座をすれば背筋が伸びますので、圧迫されることによる負担をかけなくてすみます。

 つまり正座は、筋肉や骨、血管はもちろん、内臓の働きを助ける意味でも、とてもおすすめできる姿勢ということなのです。