頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが19万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。

仕事ができない人は「本を読むだけで終わる」。仕事ができる人は「本を読んだ後」どうする?Photo: Adobe Stock

スライド3枚に要約する

多忙なコンサル時代、私は最もアウトプットに結びつくインプットの方法を模索していました。

しかし、自分では最適解が見つからず、上司に相談したところ、地獄のようなインプット生活に突入することになったのです。

上司から指示されたインプットの内容はシンプルでした。

「毎週本を1冊読み、スライド3枚の資料に要約して、説明する」

これだけです。「月はじめに毎週読む書籍を購入し、書籍タイトルを上司に伝え、週単位の1on1で私が書籍の要約を説明し、上司からレビューを受ける」というものでした。

しかし、300ページ前後の書籍をたったスライド3枚に要約するのは想像よりも難しいものです。

さらに、本を読んでくださった方には共感いただけると思うのですが、「優秀なコンサル上司に、口頭で説明する」こと自体、非常に厳しい試練です。

今回のトレーニングにあたり、上司は「大量のインプットを日々の業務や自分の成長に活かすためには“要約”がすべてである」と言い切っていました。

たしかに何百ページもある書籍を読むだけで、自分の成長や業務に活かすことは実際には難しいものです。

・結局何が学びだったのか?
・どう改善すればいいのか?
・この業務の一番重要な点は何か?

など、書籍の内容をまとめる作業が必要になります。

言い換えると「要約できなければアウトプットできない」のです。

読書を通じ「何を学び、どう業務や自分の成長に活かすのか」を言語化し、相手に対して自分の言葉で伝えられるようになって、初めてアウトプットができるといえます。

それからというもの、出社前の時間や業務終わりの時間にひたすら本を読み、3枚の紙に要約する地獄のトレーニングの毎日でした。

当初は私も甘く考えて「やればできるはず!」と意気込んでいました。

しかし、早朝から深夜まで仕事漬けの生活でしたので、合間を縫って本を読み、要約する作業は想像以上に過酷でした。

そして、1on1の当日。必死になって要約した資料をもとに上司に説明すると、上司からビックリするようなフィードバックをもらいます。

「こんなこと、本の中に書いてなかったよ」

なんと、私よりも超多忙な上司が同じように本を読み、即答でフィードバックできるレベルまで理解を深めていたのです。まさか、そこまでやってくれるとは思ってもみなかったので、本当に驚愕しました。

それからというもの、「どんなに忙しくても、絶対に読まなければならない」と尻に火がつきました。私は無我夢中でこのトレーニングを続けたのです。

この結果、大量の知識と学びだけでなく、要約力や説明力などアウトプットする力も大いに鍛えられました。

最後に、書籍を要約するポイントを紹介します。

1:書籍の要旨
・書籍はどんなテーマについて書かれていたか?
・筆者が特に重要視する主張(メッセージ)は何か?

2:具体的な内容
・各テーマの結論とその根拠は何?

3:学び
・自分が想定していたことと本書とのギャップはなにか?
・具体的にどうこの知識を活用していくか?

いかがでしょうか。

このように、問いを立て、それに答える形で要約すると、端的にまとめやすくなります。

「書籍の要旨」、「具体的な内容」、「学び」の3構造に分けてまとめることで、たった3枚のページで1冊の書籍を振り返ることができます。

時間がなくても、すぐに見返せる情報は、自分の宝です。

世の中には書籍の要約サービスもありますが、自分自身の力で要約し、学びを言語化することで、いつでも使える知識になるのです。ぜひ、あなたも取り組んでみてください!

(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の一部を抜粋・編集したものです)