相続は誰にでも起こりうること。でも、いざ身内が亡くなると、なにから手をつけていいかわからず、慌ててしまいます。さらに、相続をきっかけに、仲が良かったはずの肉親と争いに発展してしまうことも……。そんなことにならにならないように、『相続のめんどくさいが全部なくなる本』(ダイヤモンド社)の著者で相続の相談実績4000件超の税理士が、身近な人が亡くなった後に訪れる相続のあらゆるゴチャゴチャの解決法を、手取り足取りわかりやすく解説します。
本書は、著者(相続専門税理士)、ライター(相続税担当の元国税専門官)、編集者(相続のド素人)の3者による対話形式なので、スラスラ読めて、どんどん分かる!【親は】子に迷惑をかけたくなければ読んでみてください。【子どもは】親が元気なうちに読んでみてください。本書で紹介する5つのポイントを押さえておけば、相続は10割解決します。
※本稿は、『相続のめんどくさいが全部なくなる本』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

生前の相続税対策は何ができる?

小規模宅地等の特例とは?
国税 次におすすめの相続税対策が「小規模宅地等の特例」ですが、これは被相続人が利用していた宅地の評価額を下げる制度ですよね。
宅地の用途に応じて「居住用」・「事業用(貸付用含む)」の2つのパターンがあって、相続するシチュエーションによって、評価額の減り具合が違ってくる。
「居住用」がほとんどのケースで適用される
無知 情報が多すぎて、また頭が混乱してきました……。
前田 細かいルールを理解しようとすると、頭が混乱してしまいます。ほとんどの場合は「居住用」を利用するので、これに絞って説明することにしましょう。
無知 そのほうが身近でわかりやすいですね!
330㎡まで80%減額!お得な特例
前田 亡くなった被相続人が住んでいた自宅の敷地を相続する場合、その敷地の面積が330㎡までなら評価額が80%減額されます。330㎡といえば、ほぼ100坪ですね。たとえば、本来は1億円の評価額の土地なら、特例を使うと評価額が2000万円になるというイメージです。
国税 それだけ評価額が下がると、このケースであれば少なくとも1000万円ぐらいは節税できますね。これは絶対に利用したい制度です。
生前から準備すべきポイント
無知 この特例を使うには、生前から備えておいたほうがいいのですか?
前田 はい。小規模宅地等の特例には、いくつか要件があります。「どのような宅地を、どのような人が相続するか」によって特例を使えるかが決まりますから、生前から特例を使えるように準備しておくことが大事です。
特例が適用される宅地とは?
前田 まずは、どのような宅地が対象になるかというと、基本は被相続人が亡くなった時点で住んでいた自宅の敷地です。ただ、要介護認定を受けて老人ホームに入居していた場合や、同一生計の親族が住んでいた場合など、例外的に被相続人が自宅を離れていても使えるケースがあります。
国税 被相続人が自宅を出て賃貸に出したりすると、特例を使えなくなりますね。
賃貸に出すと適用外に!?
前田 そうです。なので、特例を活用する観点からすると、仮に老人ホームに入ることが決まったからといって、賃貸に転用するのは避けたほうがいいです。ただし、賃貸の場合には、小規模宅地等の特例の「貸付用」に該当するので、面積が200㎡までは50%の減額が可能となります。
国税 特例をフル活用するなら、基本的には「家に所有者が住んでいる状態」で相続が起きるのを待ったほうがいいですね。
生前の相続税対策は何ができる? … 小規模宅地等の特例~自宅の敷地は8割引き!
※本稿は、『相続のめんどくさいが全部なくなる本』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。