現在、法律的に実用が認められている自動運転技術はレベル2から3とされていますが、完璧な自動運転ができる自動車が世の中に出回る時代は、日本の警察組織が邪魔をしなければ、予想よりも早く実現すると思われます(図1)。

図表:自動運転技術のレベル同書より転載
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おひとりさまの介護の不安は
ロボットで解消

 AIが進化して大きく解消されることの一つが、老後の不安だと思います。

 自分が身動き取れなくなったときに、誰が世話をしてくれるのか。伴侶や子どもに頼ればいいと考える方もいるでしょうが、そう簡単ではありません。介護生活がはじまれば、家族や周囲の人にも負担がかかりますし、子どもに申し訳ないと思いながら生きていくのは息苦しくはないでしょうか。

 でも、AI搭載のロボットが進化すれば、子どもや伴侶に面倒を見てもらわなくても、自由気ままにお気楽な老後生活を送ることも可能になるでしょう。朝起きたらベッドから車いすへ運んでくれる。掃除も洗濯も料理もしてくれる。テレビや音楽もひとこと指示をすれば再生してくれるでしょうし、お風呂だって沸かしてくれる。もちろん、入浴中の介助だってやってくれるはずです。

 ロボットに面倒を見てもらうなんて味気ないと思いますか?それなら姿かたちを人間に似せてつくってもらえばいいのです。最近は3Dプリンターで、人間の精巧な姿を再現することができます。好きな俳優さんなり(権利関係の問題はともかくとして)、あなたのタイプの姿のロボットであれば、介護されることが楽しくなるかもしれません。人に頼みごとをするのは気を遣うという方も、ロボットであれば頼みやすくなるのではないでしょうか。

 そのうち身体的なサポートだけでなく、心のサポートもできるようになるはずです。AIは国語力に優れていますから、話し相手として上手にコミュニケーションが取れますし、時にはよき相談相手にもなってくれるでしょう。もちろん、声もあなた好みの人の声で話しかけてくれます。