今回はあくまで、日本製鉄側がトランプ氏を説き伏せる一案、ひとまず現状を切り抜けるためのウルトラCとして考えてみました。筆者の独自の見解なので、反論もあるでしょう。「再上場させるメリットが日本製鉄にあるのか」「親子上場の問題をアクティビスト(モノ言う株主)が黙っちゃいないだろう」とか。
そもそも再上場ができたとして、それこそUSスチールを買おうとしていたクリフスなどの競合がUSスチール株をたくさん取得してしまえば、日本製鉄のコントロールは利かなくなり、かえって面倒なことになりそうです。
とはいえ本稿で訴えたかったのは、それくらい柔軟な発想と対応力でないと、トランプ政権下でのビジネスは進まないのではないか、ということです。これはビジネスだけでなく政治面でも同じです。
なぜ、石破首相とトランプ氏の
会談予定は決まらないのか
1月20日にトランプ氏の大統領就任式典が行われます。しかし、石破首相はトランプ氏との会談を模索しているものの、まだ予定は決まっていません。
一方でトランプ氏は、早々に動き始めています。昨年末には安倍昭恵さんと会い、ソフトバンクの孫正義氏と会談して共同会見を行なっています。また、フランスのマクロン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と三者会談を実現しました。近々、ロシアのプーチン大統領と電話会談するとも報道されています。
トランプ氏の米大統領就任で、世界の政治も経済もいっそうスピーディーに変化することでしょう。のんびり、慎重なタイプの日本勢が追い付いていけるのか、不安になるものです。