音楽アーティストの小山田圭吾さんが、過去のいじめについての記事がきっかけで東京五輪の音楽プロデューサーを降板したケースがありました。
現在でも小山田さんに嫌悪感を持っている人は多いのですが、一方でその後の検証によればそのいじめの記事自体、ライターによる盛ったコメントだったという疑惑が浮上しています。ロックミュージシャンの小山田さんのイメージを「ワル」っぽく打ち出そうと、本人が言ってもいない発言を記事にしたという疑惑です。
小山田さんをサポートしたいという友人たちも多く、そういった環境下で小山田さんもまた発信を始めています。
タレントの価値というもの自体、世論が作り上げる幻想の要素があるとしたら、価値が下がったからポイ捨てするというのは経済性の判断としては正しいかもしれませんが、人間の判断としてはどうなのかという疑問が湧く事例です。
その観点でアイリスオーヤマの今回の判断は、私は支持すべき英断だと思いました。
アイリスオーヤマの場合、単にCMキャラとして吉沢さんを起用しているだけではなく、ブランドアンバサダーとしてアイリスオーヤマとの人的なつながりが深かった様子です。さらにいえばアイリスオーヤマがオーナー企業であることで、サラリーマン企業とは違う判断を下せたという環境もあったと思います。
アイリスオーヤマのニュースリリースでは、吉沢さんが引き起こしたことに対して企業としても謝罪するとともに、従業員ではない吉沢さんを企業の一員として捉え支えていることが読み取れます。
結果としてこの決断がどちらになるかは、まだわかりません。世論がどちらに流れるか予測不能な側面が多いからです。
しかし、中居くんがまったくいなくなった形に編集してしれっと番組を流しているテレビ局と比較すれば、血の通った問題への向き合い方をしているように感じます。
私の中ではアイリスオーヤマの好感度は上がりました。吉沢さんについてはこれからの向き合い方次第だと思いますが。