新NISAで大人気の「オルカン」は、好成績であることが魅力の一つ。しかしアクティブ投資信託には、オルカンを上回る好成績のものがあります。さらなる資産の成長を目指すなら、“次の一手”として注目です。ただし、優良投信を見極めることがひときわ重要に。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 買うべき株&投信77 2025年度版』から、注目の世界株型アクティブ投信の例と、買う際の注意点を解説します。
長期で“オルカン超え”を達成!
ユニークな運用の「先見の明」に注目
新NISAで圧倒的な人気を誇るのが「オルカン」こと「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。オルカンは全世界株型のインデックス投資信託です。1本で世界の株に丸ごと投資することができ、好成績かつ超低コスト。新NISAで買う“キホンの1本”としてオススメです。
しかし、アクティブ投資信託には、オルカンを上回る好成績のものがあります。さらなる資産の成長を目指すなら、“次の一手”として注目しましょう。世界の株に投資する、好成績アクティブ投資信託の例を紹介します。
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「野村未来トレンド発見ファンドBコース(為替ヘッジなし)」(愛称「先見の明」)は、独特の運用スタイルで好成績を達成しているアクティブ投資信託です。3年の上昇率は指数を若干下回っていますが、1年と5年は上回ります。比較している指数は「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(円換算・配当込み)」で、オルカンはこの指数におおよそ成績が連動します。つまり、「先見の明」はオルカンより好成績ということです。
また最大下落率*も世界株型の投資信託の平均よりかなり小さく、安定性の面でも優秀です。特徴は複数の“テーマ”を選定し、時代のトレンドに合わせ随時入替えること。状況が変わっても、それに対応して好成績を維持する期待が持てます。
流行りの“テーマ”に飛びつくのは禁物
実績があり地に足のついた優良投信を選べ
海外に投資する好成績の投資信託で多いのが「テーマ型」。たとえば「AI関連」など特定の“テーマ”や業種で絞り込むタイプで、投資家にも人気です。全世界株の指数や、オルカンに次ぐ人気を持つ米国株の指数であるS&P500は上昇率が非常に高く、これに勝つのは簡単ではありません。指数自体が好成績なだけに、それくらいの差別化をしないと勝てない、ということかもしれません。
一方、テーマ型には注意が必要な面も。当たり外れが大きく、一時的に好調でも、状況が変わって成績が大幅に下がることがよくあります。長期で安定して“指数超え”を果たしているアクティブ投資信託は、実のところごく一部。好成績に見えても一時の“ブーム”に終わるものや、登場したときにはすでに旬が過ぎているものも珍しくありません。
「先見の明」のような“マルチテーマ型”の投資信託は国内では珍しいのですが、特定のテーマを設定している投資信託でも好成績を維持しているものはあります。息が長く続きそうなテーマの投資信託は、今後も期待できるでしょう。たとえば半導体、少子高齢化や人手不足、インフラなどは、将来的にも重要なテーマであると考えられます。
重要なのは、流行に飛びつかず、地に足のついた優良投信を見極めることです。運用方針や投資先、そして成績の確認は必須。加えて、半導体などの値動きが大きいテーマの場合は、投資額の一部にとどめ、積立投資でリスクを抑えるのが得策です。さらに、流れが変わり低迷が続くようなら買い替えも検討すべきです。初心者にもオススメのオルカンと比べると、中上級者向きのタイプといえます。
*最大下落率は、過去5年間のうちどこかの時点で1年間保有した場合の数値(月次ベース、2024年9月末時点)。
※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2025年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。