だからこそ、窮屈で嫌々仕事をさせる上司を、のびのび楽しく仕事をさせてくれる上司にマネジメントしていくのです。上司との関係性をマネジメントする、と言ったほうが適切かもしれません。

 もちろんそうかんたんに他人の考え方や性格、言動を変えることはできません。ではどうすれば良いのでしょうか?私が考えるに、上司をマネジメントする方法は次の3つです。

・上司の言うことには絶対に従う
・上司の優先順位、困っていることにつねにアンテナを張る
・上司の困っていることと自分のやりたいことに接点を持たせる

 上司の言うことには絶対に従う……?上司を思い通りにマネジメントするという目的とは真逆のように思われるかもしれませんが、ただ上司の言いなりになれという意味ではありません。「おかしい」と思っても、一旦は「YES」と言い、その後に少しだけ時間を置いてから自分なりの意見を言うのです。

 なぜ、一旦「YES」と言わなければならないのでしょうか?それは、上司に限らず、人間は自分の言うことを否定する相手に対しては反感や不信感を抱く生き物だからです。もちろんあなたもそうです。

「自分は部下に尊重されている」と
上司に思わせたらしめたもの

 たとえばパートナーに「今日の夕飯は和食でどう?」と提案した時、「そんな気分じゃないから嫌」と突っぱねられたとしたら、良い気分はしないでしょう。せめて、「和食、いいねえ。でも、今日はちょっとそういう気分じゃないから、洋食はどう?」と言われたら、気持ちが和らぎませんか?「じゃあ、おすすめの洋食屋が近くにあるから行こう」と、話が弾むかもしれません。

 この方法の最も大きなメリットは、上司に対して「共感」という意味での心理的安全性を与えることができるということです。