「青色事業専従者」は
給与の有無と金額で異なる
青色申告をしている事業主の下で働く親族を「青色事業専従者」と言う。青色事業専従者が定額減税の対象となるかどうかは、その給与額によって異なる。
【ケース3】青色事業専従者で給与が発生していない
青色事業専従者として登録されている場合でも、事業が赤字などの理由で24年に給与が一度も支払われていない場合は、同一生計配偶者や扶養親族として定額減税の対象となる。この場合、事業主である納税者本人が、確定申告をする際に定額減税の適用を受けることが可能となる。
【ケース4】青色事業専従者で給与が月8万8000円以上
親族が青色事業専従者として給与を受け取っている場合、その親族は納税者の同一生計配偶者や扶養親族とは見なされず、定額減税の対象にはならない。
ただし、その月の給与から社会保険料などを控除した残額が8万8000円以上である場合、青色事業専従者本人が給与所得者として、その給与に対して定額減税を受けられる。具体的には、給与から源泉徴収される所得税に対して、定額減税が反映される仕組みだ。
【ケース5】青色事業専従者で給与が月8万8000円未満
青色事業専従者の給与が月8万8000円以上支払われる場合、源泉所得税の計算と納付が必要となり、事業主にとって事務手続きが煩雑になる。そのため、青色事業専従者の給与を月8万8000円未満に設定している事業者は多い。
ただし、月8万8000円未満であっても青色事業専従者として給与を受け取っている場合、その親族は納税者の同一生計配偶者や扶養親族に該当せず、定額減税の対象にはならない。また、青色事業専従者本人としても所得税や住民税の負担がないため、定額減税を受けられない。
その場合、「調整給付金」という形で補填する制度が存在する。これは、24年度に実施する所得税および個人住民税所得割の定額減税を十分に受けられない、つまり定額減税可能額が24年分の推計所得税額または24年度個人住民税所得割額を上回る場合に、上回る金額の合計額を1万円単位で切り上げて支給する制度である。