ただし、「調整給付金の支給は各自治体の管轄であるため、制度の適用状況や申請方法については居住地の市区町村に確認する必要がある」(波多江氏)。

 年4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分けて納付する住民税については、24年6月分の納付書に定額減税が控除された後の住民税額が記載されている。そのため、その金額に基づいて納付する必要がある。もし、定額減税が第1期(6月分)の納付で控除しきれなかった場合、残りの控除額は次期以降に繰り越される。

 ちなみに、定額減税は住宅ローン控除やふるさと納税への影響はない。

16歳未満の扶養親族も対象に
同一生計配偶者は所得48万円以下

 ここでは、定額減税を受ける上で見落としがちな2つのポイントについて見ていく。

【ポイント1】16歳未満の扶養家族も定額減税の対象となる

「16歳未満の扶養親族も定額減税の対象となる点は、見落とされやすいため、注意が必要」(波多江氏)だ。

 通常、所得税における扶養控除では、16歳未満の扶養親族は控除の対象外となり、その控除額は0円となる。しかし、今回の定額減税では、16歳未満の扶養親族も対象に含まれる。

 つまり、16歳未満の扶養親族が2人いれば、定額減税額は、住民税に係る部分を含め「納税者4万円+扶養親族4万円×2人=12万円」という計算になる。

【ポイント2】同一生計配偶者は合計所得金額が48万円以下(給与所得のみなら103万円以下)の場合に対象となる

 同一生計配偶者が定額減税の対象となるには、年間の合計所得金額が48万円以下である必要がある。例えば、配偶者が自分でアクセサリーなどを作ってネット販売しているような場合、収入から必要経費を引いた所得金額が48万円以上になると対象外となる。

 また、パートなどの給与所得のみの場合、給与収入が103万円以下であることが条件であり、この基準を超える場合、同一生計配偶者は対象外となる。いわゆる「103万円の壁」がここで立ちはだかる。

 配偶者が給与所得者の場合、勤務先において定額減税の特別控除が実施されるが、個人事業主の場合は配偶者自身の確定申告において対応する必要がある。

 定額減税は制度が複雑なので、正確を期したいなら、税理士などの専門家に依頼するか、最新の法律に対応した会計ソフトを利用しよう。