まずは体形に合った服を
選んでみるのがお勧め

 ですから、まずはとにかく「自分の見た目」を整えてみる。

 その第一歩として「サイズ感が合った服を着ている人が脳が若々しい傾向にある」と述べましたが、体形に合った服を選んでみるのがお勧めです。今はオーダーメイドのスーツもお手頃価格で手に入りますから、仕事で使う服から変えてみるのも一案です。

 あまりファッションに興味がなくても、雑誌やアパレルショップで働く方の服装を見るなどして、そこですてきだなと感じたスタイルを安く模倣してみるのもいいですね。それだけで印象はガラリと変わりますし、自分にもっと自信を持てると思います。

 自分に合ったファッションを研究することは、脳の健康を維持する「好奇心」を高めることでもあります。好奇心が強い人は脳の萎縮が抑えられることが明らかになっているのです。

 つまり、身なりを整えていると好奇心が高まり、同時に人にも会いたくなって社会的交流が活発になるという、さまざまな方面から脳が健康になる好循環に入ります。

「会話」は最も簡単にできる
幸福感を高めるもの

 そして「リアルな会話」というのは、実は幸福感をも高めるのです。幸福感を高める方法はいろいろありますが、最も簡単にできるものが「会話」です。

 会話の本質は「情報交換」ではなく、「気持ち(感情)のやりとり」といわれています。対面で人と話すことは言語以外の情報を多く得ますよね。声の抑揚、身ぶり手ぶり、表情などで私たちはお互いの気持ちを伝え合っているのです。そして「自分の気持ちを相手に理解してもらえたとき」あるいは「相手の気持ちを理解したとき」に、人として幸せを感じます。

 ですから社会的交流が多い人は、主観的幸福感(主観的な幸福感)が高い、少なくとも低くはないといえます。主観的幸福感は、認知症や動脈硬化のリスクを下げることがわかっていますから、医学的にも健康を保つ重要な要素です。

 ビジネスパーソンの方は休み明けに「また会社に行く日々が始まるのか」と憂鬱(ゆううつ)になっている人もいるかもしれません。ですが職場や仕事上でのつながりは、いろいろな方とコミュニケーションができ、主観的幸福感を高められる場でもあるんですよ。

 ぜひ明日から出勤時の身なりを整え、人と会う時間を楽しみましょう。