保育園で「主体性」のある子どもたちが、小学校では「自由人」と呼ばれてしまう。そのような状況に直面している同園長は、自分の子どもを地元の公立小学校に入れずに、私立や国立の小学校を受験させるか真剣に悩んでいる。

「小学校の教員も大変なことは理解しています。けれど、運動会を見ると教員は大声を張り上げて従わせているだけで、楽しんでやっているように見えないのです。『小学校の授業がつまらない』から中学受験という子が多く、正直、子どもを公立小に入れずに受験させようかと考えているところです」

 こうした親が抱える悩みや早期教育のニーズから、東京23区で認可保育園を展開する保育大手の「さくらさくプラス」社は、中学受験塾「VAMOS」を買収。同社の決算資料やリリースによれば、首都圏での中学受験の過熱から傘下の保育園がある東京・月島エリアに2024年4月に塾を新規開校した。

 中央区は私立進学率が東京23区内で2位となっており、保育園「さくらさくみらい」は都内のうち中央区に多く保育園があることから、保護者のニーズをつかんでの事業戦略。保護者は保育園のうちから中学受験を意識するようになり、中学受験の過熱ぶりに拍車がかかりそうだ。