直近では、こんな例もあります。オール関西で吉村洋文大阪府知事も会見でたびたびアピールしたコロナワクチン開発のアンジェスは、ピーク時の3%まで株価が低迷しています。つまり、97%が吹き飛んだのです。
今、紹介した暴落銘柄の中で、長い年月を経て“再浮上”したのはアマゾンのみです。アマゾンは、2001年に6ドルまで株価が暴落したものの直近のピーク時は200ドルまで高騰しました。
余剰資金のほぼ全てという数億円をアンジェスに一点投資した方もいらっしゃいました。東京電力に退職金を全額投資した方もいました。ロシア投資に全集中した方もいました……。いずれの方も、資産は10分の1以下になってしまいました。
一点集中型の投資は、特定の企業やセクターに全資産を依存することになりますし、その企業が予想外の問題に直面したり、外部環境が不安定になったりすると、資産の大部分を失うリスクがあります。
株式投資自体は高齢になってもお勧めです。金勘定は頭の健康維持にも非常に効果が高いと思います。しかし、株式投資などで資産運用をする場合は、あくまでも「優良企業の株式に分散投資」するという基本を忘れないようにしてください。
投資している人は、儲かっているときしか他人に言わないものです。損した話はしたがりません。親が「投資で儲かっている」と言っていたのに、相続が発生して蓋を開けてみたら散々だったというのはよくある話。もちろん“悪銭身に付かず”なので、親の代で全てお金を使い切るのも一つの方法ではありますが……。
夏休みは家族が集まるいい機会ですが、今後のお金について考える、あるいは話すときには、今回挙げた3つのポイントに注意をしていただければと思います。