今の時代、多様化が進んでいます。「ワークライフバランス」や「柔軟な働き方」なんて言葉が飛び交うこの世の中で、ただ定期収入を得るために1つの選択肢に固執することが、果たして最善の方法だと言えるのでしょうか?私は少し疑問に思います。
新しいことを始めるときに
「リスク」は避けられない
起業という言葉には、大きく分けて2つの意味があります。第一に、「新しいことを始める」ということ。これは、まだ誰も手をつけていない領域に足を踏み入れ、新たに挑戦することを意味しています。
そして第二に、「新しいことを始めるリスクを引き受ける」ということです。自分の身の回りで考えてみてください。就職する、恋人と付き合う、今まで入ったことのないお店に入ってみる。これらの新しいことは全てリスクと隣り合わせの行為です。
就職した会社が期待外れだった、恋人と金銭感覚や価値観が合わなかった、おいしそうだと思って入ったお店がそんなにおいしくなかった。すると、時間やお金を失ったものの、満足いく結果は得られなかったという事実だけが残ります。新しいことを始めるには、こういった「リスク」が付きものです。もちろん、起業も同じです。
起業家のことを英語で「アントレプレナー(entrepreneur)」と呼びますが、この言葉にも先ほどと同じように2つの意味があります。
1つはフランス語の「entreprendre」に由来し、これは「何かを始める」「企てる」という意味を持っています。
つまり、起業とは単に「事業を始める」ことにとどまらず、その背景には利益を追求するという「目的」があるのです。「起業しました!」と宣言するだけでは、アントレプレナーとは言えません。事業を始めるだけでは足りず、その事業によって利益が生まれて初めて「起業」になります。