フジテレビ会見乱入で強制退場!大ヒンシュクの「迷惑系YouTuber」が絶滅しない厄介すぎる理由
配信者がアイドル化して
視聴者が崇拝したり、期待したり
3. 配信者とその視聴者によって形成される「コミュニティ」
YouTubeのコメント欄やXでのリプ欄を少し観察すれば分かることだが、迷惑系配信者の周りには、彼らの過激な行動を支持する視聴者が集まる。これが一つのコミュニティ、言い換えれば「サークル」を形成する。
こうしたサークルでは、配信者がアイドル化し、視聴者がその行動を崇拝する。視聴者が同調することで、その配信者は「次はどんな行動をしてくれるのか?」といった期待を背負うことになり、行動がさらに過激になっていく。
また、配信者の行動はほぼすべてが肯定的に受け入れられる。ファンにとっては、配信者の行動が社会から受け入れられなくても、いや受け入れられないからこそ、ヒーローとして崇める傾向が強まる。
この「内輪」の関係が、配信者を強化し、社会的な批判を無視させる要因となっている。
4. エコーチェンバー現象が加速する
「エコーチェンバー」とは、自分の見える範囲で同じ意見や情報が繰り返し強化され、異なる意見が排除される現象を指す。ネット上ではこれが起きやすい。この現象は当然、迷惑系配信者のコミュニティ内でも見られる。
配信者の過激な行動が称賛され、視聴者はそれを繰り返し支援する。こうした状況では、外部からの批判は届かず、配信者とその視聴者の間だけで世界が形成されるため、社会的な影響が無視される。
また、たとえ批判が届いたとしても内容が歪められているので、配信者のファンは説得されない。
5. 再生回数を狙った模倣行動
迷惑系配信者は、そのサークルの中で増殖する。
視聴者の中からその配信者の模倣者が現れるのである。「このネタで成功できるのであれば自分もやってみよう」という動機から、特定の人へのバッシングや、差別的言動に走る新人配信者もいる。
彼らは、再生回数を得るためには後先を考えず、デマを流したり、根拠なく他者を攻撃したりすることに躊躇がない。後発であるので、より過激に振る舞おうとすることも少なくない。
配信者側はこのような模倣者を嫌がるかといえば、多くの場合むしろ逆だ。お互いを紹介し合ったり、配信者の動画を要約して配信する「切り取り動画」を制作する月額契約を結んだりして、双方が利益を上げられる仕組みとなっているからだ。