どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。

職場にいる「週5で出社する人」は“週0出社の人”より出世する。その本当の理由Photo: Adobe Stock

出世する人は職場に「出社」している

皆さんの職場には、出社する人と出社しない人がいるのではないでしょうか。職場によっては、完全出社が強制されていたり、逆にある程度のリモートワークが許容されているというところもあると思います。

ただ、職場においては、基本的に出社を重視している人の方が出世していく傾向が高いです。これは、仕事のパフォーマンスが同じであっても、基本的には変わりません。

今回は、そのメカニズムについて紹介していきましょう。

出社している方が上司にとっては便利

まずは、上司の立場になって考えてみましょう。

基本的に、上司は部下より忙しく、特に管理職という立場柄、基本的に出社の機会は多いものです。また、そういった忙しい立場なので「できるだけ仕事は部下に振っていきたい」と考えているものです。

そんな時に、例えば次の2人がいるとして、どちらの方があなたにとって助かる存在でしょうか。

Aさん:いつも会社にいて、すぐに話ができる
Bさん:普段リモートで仕事をしていて、メールなどでしか話ができない

正直、Aさんのほうについ頼んでしまうと思います。なぜなら、対面のほうがすぐに話しかけられますし、細かい事情のニュアンスも伝わりやすいからです。一方、Bさんは、たとえ良い人であっても、なんだかうまく使いづらいというふうに映ってしまいます。これは、上司が優秀であるかそうでないかにかかわらず、人間であれば仕方のないことです。

出世していく人間は、優秀なだけでなく、上司にとって便利な使い勝手のいい存在であることが多いです。あなたの出世を決めるのは、周りの同僚の評価ではなく、上司や役員などの人事権を持つ人なのですから、これは当然です。

こうして、出社する人の方が会社にとって優遇されるという事態が起きます。
テレワークは確かに楽な側面はあるかもしれませんが、実は出社するの方がコスパの良い働き方だということは覚えておいたほうがいいと思います。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)