「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

面倒な2ケタ同士のかけ算、できますか?
みなさんはこの計算、いつもどのようにしていますか? 「暗算できそう」な気もしますが、実際に筆算で頭を使ってみると「なかなか数字がまとまらなかった…」という経験があるのではないでしょうか。結局、電卓やスマホを使ってしまうという人も多いと思います。
しかし、数字に強い人はこういった時に、ある工夫をする習慣を身につけています。それは、計算する前に「数字をカンタンに扱いやすくする」ということです。
今回は数字に強い人がやっている習慣のうちの1つである「2倍と半分の計算法」について紹介していきましょう。
「数字に強い人」だけがやっている1つのコツ
「2倍と半分の計算法」とは、かけ算をするときに片方の数字を2倍する代わりに半分にして計算する方法です。
さぁ、問題に取り組んでいきましょう。
まずは160を半分に、35を2倍にしてみましょう。
35×2=70
つまり、「160×35」は、「80×70」と同じなのです。これなら、すぐに答えがわかりませんか?
ほら、難しい計算が、一瞬で実質「九九」に変わりましたね!
あとはもうカンタンです。
=80×70
=5600
このように、160を半分にして、35は2倍にすれば超カンタンですね!
難しいかけ算を難しいままやってはいけません。まず、自分が「カンタンだ!」と思える形に変えてしまいましょう。
数字に強い人は「数字は先にシンプルに変える」
「2倍と半分」計算法では、2ケタ×2ケタの形を変えて、実質「九九」を作りました。本書の数字がかわいくなる魔法「しつける」ではこのように、「難しい数字」をシンプルにして計算する方法を紹介していきます。2ケタ×2ケタの難しい計算をいきなりするのではなく、段階を踏んでカンタンにしていくイメージです。
計算は一見、そのままの最短ルートが一番早く到着するように見えるかもしれません。しかし、最短ルートにはいろいろな障害が立ちはだかります。数字に弱い人の多くは途中で挫折してしまいます。
実は数字に強い人は、ちょっと寄り道をします。時間的には意外と速かったり、精度もとても高くなるケースもあります。こういった「数字を計算する前に一瞬立ち止まる」習慣を身につけてみるとよいでしょう。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)