新型のパワーソースは、4L・V8ツインターボで、それだけで600psを発揮する。そしてプラグインハイブリッド(PHEV)となった今回、追加されたモーターの出力は190psとなる。結果、システム総合出力は782ps。最高速度は335km/h、0→100km/h加速は3.2秒(GTCは285km/hと3.4秒)という数字が並ぶ。
この数値は第2世代のスーパースポーツやコーチビルドのバトュールを上回る。つまり、“スピード”はベントレー史上最高スペックのモデルとなった。
新造形ヘッドランプでイメージを刷新
圧巻の速さ/サウンド/ハンドリングで魅了する
エクステリアデザインは、従来型フォルムを継承するも細部は見直されている。68%のパーツを一新したと資料にあるが、ボディパーツもその中に含まれるのだろう。
目立つのはやはりヘッドライトだ。1919年の創業から長年使い続けていきた丸型(近年は楕円形)に大きく手が入った。上部に眉のような水平ラインが組み合わされたのである。前出のダレン氏によると入念なリサーチのもと実行されたそうだ。彼らとしてはイメージ変更は不安だっただろう。戦前の3リッター(白洲次郎号)から何台も触れてきた身としても不安なのはわからなくない。正直、個人的には違和感大アリである。
では走らせた印象へ話を進めよう。ドライバーズシートに座って思うのは、これまでと同じ感覚ということ。自分のドライビングポジションに合わせるとダッシュボードの高さやピラーの角度に変化がないのがわかる。スッと体が収まる感じが心地よい。ただ、当然デジタル化は進んでいる。インターフェイスは最新だ。ここはベントレーの弱点だっただけに競争力が増した。と同時にシートやトリムに新しいデザインのキルト刺繡が入っているなど高級さもしっかり期待に応えている。この辺の匠の技はさすがだ。