上位は早慶、東大の
三つどもえの様相に

 24年の5大総合商社ランキングでは変化が見られた。三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の4社では慶應義塾大学が1位を占めたが、三菱商事では早稲田大学が1位を奪取したからだ。

 また、23年は三井物産と住友商事の2位が東京大学だったが、24年は住友商事において早稲田大学が2位に浮上、東京大学は3位となった。

 早稲田大学の「稲門会」、慶應義塾大学の「三田会」といった卒業生組織は、就職活動において大きな影響力を持つ。

 5大総合商社における採用実績では、慶應義塾大学が合計122人で最多となったが、23年より3人減少した。これに対し、早稲田大学は17人増加して合計96人と健闘している。

 東京大学からの就職者数は70人で、23年と同数だった。最も多くの東大生を採用したのは三菱商事と三井物産で、それぞれ21人で並んでいる。

 5大総合商社の上位校は、まさに早稲田大学、慶應義塾大学、東京大学による三つどもえの様相を呈している。

 全体を見渡すと、上記3校に加え、北海道大学、東北大学、京都大学、大阪大学、九州大学といった旧帝国大学や、神戸大学、一橋大学、東京工業大学、筑波大学、東京外国語大学などの国立大学が多くランクインしており、高い壁がある。

 私立大学では、上智大学やMARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)、関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)といった有名大学の一部がランクインしている。

希望部署に行ける「公募制」
広がる選考ルート

 総合商社はどのような業界構造になっているのか、また働くために必要な能力やスキルは何か。

「三菱商事も住友商事も組織改編、高収益の総合商社が直面する『縦割り』問題解決への一手」という記事でも触れたが、改めて整理しておきたい。

 商社の主な業務は、国や地域、企業との間に立ち、原材料や製品の売買を仲介し、国内外から仕入れた商品を販売することにある。

 商社は、幅広い商品やサービスを取り扱う「総合商社」と、特定の分野に特化した「専門商社」に大別される。