確定申告で損しないための
5つのチェックポイント

(1)【今年の申告限定】「令和6年分特別税額控除」欄で記入ミスすると減税がなかったことになる!?

「令和6年分特別税額控除」とは、昨年実施された「定額減税」のこと。この欄には昨年受けた所得税の減税額を記入しなくてはならない。ブランクにすると、いったん受けた減税が無効になり、本来よりも税金を多く納めることになる恐れがあるのだ。ミスなく記入する方法を知っておきたい。

「令和6年分特別税額控除」の欄は、確定申告書の「税金の計算」の欄にある。

 定額減税は、1人当たり所得税3万円、住民税1万円が減税されるというもの。扶養家族がいる人は、その分が加算される。配偶者と子ども2人を扶養している場合は、自分自身を含め4人分なので「人数 4」、金額は「120,000」と記入する。

 給与所得者は、昨年の給与や年末調整ですでに減税を受けているので、「減税は済んでいる」と思い、この欄を未記入にする人もいるだろう。ブランクにすると減税を受けないものとして税額が計算されてしまうのだ。このケースなら、12万円の損となる。

 すでに減税を受けていても、この欄には「減税対象の人数と所得税の減税額」を記入するのが正しいやり方。タックスアンサーの「確定申告書作成コーナー」を利用し、パソコンやスマートフォンの画面上で入力する場合は、「控除の入力(2/2)」のページにある「親族に関する控除の入力」で扶養家族を入れると自動で反映される。

 2つ目も記入ミスを防ぐコツである。

(2)申告書の「配偶者や親族に関する事項」欄に16才未満の子どもを記載すべきかどうか

 2011年、民主党政権時代に子ども手当が拡大したことで16歳未満の子どもの扶養控除(年少扶養控除)がなくなった。

 確定申告書には「配偶者や親族に関する事項」という欄がある。16歳未満の子の情報を書くべきなのか、それとも扶養控除を受けられないなら書かなくてもいいのか、大いに迷うだろう。FPである筆者も迷った。

 正解は、年少扶養控除を受けられない16歳未満の子どもの情報も「書く」。

 扶養控除を受けることはできないが、住民税の計算に影響を及ぼしたり、子が障害者の場合、障害者控除を受けることができたりするため、この欄は漏れなく書くのが正解だ。

 パソコンやスマートフォンの画面で入力する場合は、前述の「親族に関する控除の入力」の欄だ。16歳未満の子どもも入力しよう。

(1)も(2)も、まったくややこしい。このように記入(入力)に手が止まるような箇所が複数あるあたりが「確定申告は難しい」と言われるゆえんだろう。