海外で合法とされるオンラインカジノも、「日本国内から参加」は違法

 オンラインカジノについて「グレーゾーン」との認識が根強くある。過去には業者が「サーバーが海外にあるので完全合法」と主張するケースもあった。しかし、日本の法律では明確に違法とされている。

 オンラインカジノの運営は、主に「マルタ」「キュラソー」「イギリス」などの国でライセンスを取得している。これらの国では合法的に運営されており、他国からアクセスすることも問題にならない場合もある。

 しかし、日本国内からアクセスし賭博を行うことは違法だ。警察庁保安課は2024年7月頃から、X(旧Twitter)などSNSを通じて以下のような広報を行っている。

「海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です」

 これは、日本の法律が「賭博をどこで行ったか」ではなく、「日本国内から参加したか」を基準に判断するためだ。そのため、「海外ライセンスを取得しているから合法」という理屈は通らない。

 実際に、日本国内のオンラインカジノ利用者が検挙された事例もある。

・日本国内の自宅で、パソコンを使って海外運営のオンラインカジノに接続し、賭博を行った利用者が賭博罪で検挙
・海外オンラインカジノのアフィリエイト契約を結び、動画配信サイトなどで利用を勧誘した者が常習賭博幇助罪で検挙

 特に後者のケースでは、YouTubeなどで「2000円が○○万円に!」と煽る動画を投稿し、「このリンクから登録すれば入金不要ボーナス○○円」などと勧誘する手法が見られる。こうした行為も幇助罪に問われる可能性があるということだ。