JAグループ崩落#予告Photo:AndreaAstes/gettyimages、JIJI

JAグループの瓦解が始まった。全国の農協を束ねてきたJA全中は凋落。農協法改正で農協への監査権限を失い、ITシステム開発の失敗で結集力を失った。グループ内の稼ぎ頭で「影の実力者」だった農林中央金庫やJA共済連も収益力の低下にあえいでいる。これら3組織に依存し、農業をおろそかにしてきた農協は、将来像を描けず人材が流出している。特集『JAグループ崩落』では、組合員や職員に見限られつつあるJAグループの実態を解明するとともに、再生の可能性を探る。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)

#1 12月13日(金)配信
農林中金の「1.5兆円赤字」問題を検証する農水省が「あえて見落としている」重大なガバナンスの欠陥とは

JAグループ崩落#1決算会見に臨む農林中央金庫の奥和登理事長(11月19日、東京都千代田区で) Photo:JIJI

 農林中央金庫は2025年3月期、1.5兆円規模の赤字に沈む見込みだ。農林中金の巨額赤字の引き金となった米国債の運用失敗の原因などを検証する農水省の有識者会議の議論が大詰めを迎えている。同会議が“政治的な配慮”からか、意図的に議論を避けている、農林中金のガバナンスの重大な欠陥を明らかにする。

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#2 12月14日(土)配信
農林中金の「次期理事長」大本命は?株式運用のプロなど実力派は排除…独裁下の出世レースに勝ち残った猛者の実名

JAグループ崩落#2決算発表記者会見で質問に答える農林中央金庫の奥和登理事長(左)と北林太郎常務執行役員(5月22日、東京都千代田区で) Photo:JIJI

 日本有数の機関投資家である農林中央金庫が巨額赤字に沈もうとしている。危機を招いた元凶として、農林中金の「独裁化」「政治組織化」が挙げられる。奥和登理事長が独裁体制を築いていく中で運用のプロが排除され、約50兆円の運用方針を決定する理事会のメンバー7人中、2人しか市場運用経験者がいないという脆弱な体制が出来上がった。その経緯をつまびらかにする。農林中金を立て直す次期トップの本命候補とは。

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#3 1月30日(木)配信
【独自】JA全中がシステム開発失敗で200億円の損失!農協に負担要求で非難囂々…役員辞任、組織の改廃は必至

JAグループ崩落#3新潟県産コシヒカリを試食する全国農業協同組合中央会(JA全中)の山野徹会長(2023年11月9日の記者会見で) Photo:JIJI

 JAグループを束ねるJA全中が、ITシステムの開発に失敗し200億円の損失を出したことが分かった。JA全中は、システムを使う農協などに負担金の増額を求めており、強い反発を受けている。今回の失敗は、農協界を牛耳ってきたJA全中の機能不全の象徴といえ、役員の辞任や組織の改廃は避けられない情勢だ。JA全中の失敗の本質を明らかにする。

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#4 2月13日(木)配信
農林中金理事長が1.4兆円赤字でも「トップ居座り」に農協役職員がNO!JA関係者8割が甘い報酬カットに不満【農協役職員アンケート248人の本音】

JAグループ崩落#4記者会見で質問に答える農林中央金庫の奥和登理事長(左)と北林太郎常務執行役員(2024年5月22日、東京都千代田区で) Photo:JIJI

 1.5兆円超の最終赤字に沈む見込みの農林中央金庫の経営責任について、農協役職員の8割が、「現状の役員の責任の取り方では不十分」と考えていることが分かった。奥和登理事長の辞任を求める意見が大勢を占めていることも判明した。ダイヤモンド編集部が実施した「農協役職員アンケート」の結果に基づき、「奥氏は辞任すべきだ」と考える農協関係者の割合や、ガバナンスなどに対する農協役職員の本音を大公開する。

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#5 2月18日(火)配信
【独自】農林中金の奥理事長が1.5兆円超の赤字の引責で辞任、JAグループ内からは「遅きに失した」との声

JAグループ崩落#5記者会見で質問に答える農林中央金庫の奥和登理事長(2024年5月22日、東京都千代田区で) Photo:JIJI

 農林中央金庫の奥和登理事長が辞任する方針を固めたことが2月18日、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。2024年度決算で1.5兆円超の最終赤字に陥ることの責任を取る。農林中金は、同年度に巨額赤字に沈む見込みを発表した24年5月の決算会見当日、奥理事長の続投を決めていた。JAグループ内からは「引責辞任のタイミングは遅きに失した」との声が上がる。農林中金の次期理事長の実名と、トップ交代の裏事情、残された経営課題を明らかにする。

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#6 3月3日(月)配信
【JA赤字危険度ランキング・全461農協】農林中金1.9兆円赤字ショックで190組合が赤字転落…ワースト2位はJA京都、1位は?

JAグループ崩落#6Photo:Wong Yu Liang/gettyimages

 農林中央金庫が2024年度、1.9兆円の最終赤字に沈むことの農協への影響はさすがに大きかった。ダイヤモンド編集部の恒例企画「JA赤字危険度ランキング」で、190農協が赤字に転落することが分かった。全国の農協の合計で、年間1600億円に及ぶ減益ショックのインパクトをJA別に探る。43億円もの赤字に陥る試算結果が出た大規模農協とは。

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#7 3月7日(金)配信
農協の役職員が主要11事業を取捨選択【JA注力・非注力事業ランキング】頼みの綱は「営農関連」の一方、縮小されそうな仕事は?

JAグループ崩落#7Photo:OsakaWayne Studios/gettyimages

 企業の経営再建の定石の一つが、事業を取捨選択し、注力事業にヒトとカネを重点配分することだ。ところが農協では、ほとんど事業をリストラすることなく主要11事業を続けてきた。農協役職員アンケート(有効回答数248人)の結果に基づき作成した、あるべき注力事業と非注力事業のランキングをお届けする。

>>3月7日(金)配信

#8 3月9日(日)配信
【JA人材流出深刻度ランキング】農協役職員248人中5割超が「危機的」とする人材流出、採用難の実態…“自爆営業”の後遺症が露わに

JAグループ崩落#8Photo:gremlin/gettyimages

 農協職員が共済などの過大なノルマ推進を苦に離職するケースが増えている。ダイヤモンド編集部は、農協の開示データから、JA人材流出深刻度ランキングを作成した。同ランキングから、人材の流出に歯止めがかからず、組織の存続が危ぶまれている農協をあぶり出す。

>>3月9日(日)配信

#9 3月11日(火)配信
農協役職員が「黒字化最後の期待」を寄せるJA全農に、コメ集荷や肥料などで相次ぐ苦言…農協幹部が求める「改革プラン」とは

JAグループ崩落#9Photo:JIJI

 農協が、農業関連事業を黒字化できるかどうかの鍵を握るのが国内最大の農業商社、JA全農だ。ところが、JA全農は2024年産のコメ集荷競争で商社に敗れたり、肥料などの価格競争力を発揮できなかったりと失策続きだ。農協役職員アンケートで分かった、JA全農の農産物の販売力や、肥料・農薬の供給力への満足度を明らかにする。また、農協役職員がJA全農に求める改革の具体策も開陳する。

>>3月11日(火)配信

#10 3月13日(木)配信
【農協役職員が期待するJA組織ランキング】首位は意外な連合会…低迷するJA全中、県中央会は回答者の6割が「不要」

JAグループ崩落#10Photo by Hirobumi Senbongi

 JAグループの代表として君臨してきたJA全中や都道府県中央会が存続の危機にひんしている。農協役職員アンケートで、期待する農協組織を挙げてもらい、作成したランキングを公開。中央会への期待が低迷している理由と、組織の改廃を含め、農協から望まれている組織改革の具体策も明らかにする。

>>3月13日(木)配信

#11 4月2日(水)配信
【共済事業減益JAランキング】自爆営業の自粛で事業が縮小!ワースト4位にしみの、1位と2位は福岡の農協

JAグループ崩落#11Photo by H.S.

 農協職員が過大な営業ノルマを達成するために本来不要な共済(保険)に加入する“自爆営業”が問題になった。農水省が監視を強化する中、農協は以前のような強引な営業を自粛している。共済事業の減収率が大きいJAのランキングを大公開する。

>>4月2日(水)配信

#12 4月3日(木)配信
【農協役職員が期待する「農協リーダー」ランキング】JA全中会長を大差で破ったのは?改革の旗手不在の深刻

JAグループ崩落#12Photo:lisegagne/gettyimages

 JAグループの改革の旗振り役となるリーダーが不在といわれて久しい。人材が欠乏する中でも、農協役職員から期待を集める経営者は誰なのか。農協役職員アンケートの回答者248人が選んだ、JAグループの次代を担うリーダーのランキングをお届けする。

>>4月3日(木)配信

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