「このシートを埋めてください」
という依頼方法が効果絶大なワケ
つまり、「こんな感じでお願い」という抽象度の高い依頼を避けて、「このシートを埋めてください」という具体的で認識違いが起こり得ない依頼に変えるわけです。
とはいうものの、「そんな、ワークシートなんか作っていると、こっちの手間が増えるだけだ」と思う方もいるでしょう。お気持ちはわかります。
しかしながら、急がば回れというやつです。期待と異なるアウトプットが出てきてから、手戻りが発生することを考えれば、先に手間をかけておく方が何十倍、何百倍も効率的ではないでしょうか。
そうやって用意したワークシートを埋めてもらうと、往々にして「埋められない」ということが起こります。部下としてもなんとか空欄を埋めようと、何かしら書き込んでくれてはいるものの、その内容が思っていたものとは全く違う、というようなことになるわけです。
その原因は、「前提の理解が足りない」とか「考え方が全く異なる」とか、いろいろなものが考えられますが、いずれにしても、そういうズレが顕在化した状態だといえます。
これは、悪いことではありません。
もちろん、バッチリ期待通りの内容を書き込んでくれるに越したことはないのですが、「考え方にズレがある」「理解に差がある」ということを認識できれば、これから先、どういうふうに対応していくべきかを考える材料になります。
「何がわからないのかわからない」という状態から、「ここがズレている、この部分がわからない、ということがわかる」状態に変わるだけで、部下の育成という観点では、大きな前進です。
具体例で解説!
ワークシートの上手な活用法
それでは、具体的なワークシートの例を見ながら考えていきましょう。テーマは、設定された売上目標の達成を目指す、というものです。