飲酒や喫煙、政治活動はOK?
多くの職種において、飲酒はその後の業務への影響を考慮すると、全面的に禁止することが適切と言えます。
また、特に接客が重要な職種の場合は、従業員が喫煙することで服や髪に臭いが付き、それがその後の業務に大きな影響を与えると考える場合は、禁止が許容されるでしょう。臭いについてさらに言えば、焼き肉を食べることも同様に、禁止が許容されるでしょう。
ちなみに、コロナ禍で見られたような職場内の感染症対策の一環として、お昼休憩に複数人での食事を禁止するなどの措置については、理にかなったものとして認められることもあります。
そして、休憩時間中に従業員が政治活動をすることは、禁止しても問題はないと考えられています。職場の施設管理を妨げたり、従業員間の混乱や対立を引き起こしたり、他の従業員の休憩の自由利用を妨げたりする恐れがあると見なされるからです。最高裁判所の判例においても、「企業秩序維持の見地から、就業規則により職場内における政治活動を禁止することは、合理的な定めとして許される」とされています。
不適切な制限とは?雇用側の注意点
逆に、会社側の不適切な制限として注意すべき点があります。定められた休憩時間は従業員が実際に休憩時間を確保できるようにしなければならないので、例えば、休憩が終わる5分前に着席を求め、業務を気にするように仕向けるのは不適切な制限です。
また、正社員とパートタイムなど、同じ職場に異なる雇用形態の従業員がいる場合、休憩時間の行動に対する制限として差を設けることは、合理的な理由がない限り不適切です。そもそも、こうした差は法的な問題だけでなく、職場環境の平等性や公平性が損なわれることから従業員のモチベーションを低下させます。
最後に、飲食店や小売店で意外と多い職場内ルールについて解説しましょう。