「ごきぶりホイホイ」発売から50年、虫ケア用品が“驚きの進化”を止めない理由アース製薬の川端克宜社長

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10年前、アース製薬で異例のトップ人事が発表された。オーナー家出身ではなく、役員の中でも若手だった川端克宜社長が誕生したのだ。設立100周年を期に出版した『BATON』(ダイヤモンド社)で語られなかった秘話を交えつつ、アース製薬の強い市場競争力の源泉となる独自の商品戦略について聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・ライフ編集部 小尾拓也、大根田康介 撮影/鈴木愛子)

海外で売上高200億円突破
アース製薬のグローバル戦略とは

――アース製薬の事業は主に国内の虫ケア用品と日用品から成り立っている。また、海外事業を「中期経営計画の一丁目一番地」とした同社では、将来の成長に向けた種まきのフェーズが終わり、200億円台にまで売り上げが拡大するに至った。一方、国内の人口減少は予断を許さない。この状況にどう立ち向かっていくのか。

 確かに、日本では人口減少が顕著になっていますが、国内市場が縮小しているわけではありません。もし人口に比例して売り上げが決まるのであれば、その数が多い海外では日本よりもっと売れているはずです。

 国ごとの文化や可処分所得など、さまざまな要素が掛け合わさって市場が形成されています。

 また、日本の消費者の意識も変わっています。以前は「多少虫がいても遭遇しなければ良い、見つけたら駆除しよう」という考え方が主流でした。それが今は、「虫なんて一匹だって見たくない」「そもそも発生させたくない」という予防意識が高まっています。