痩せる効果と“死のリスク”
危険なサプリメントの実態
食品添加物や残留農薬の基準値の設定方法の説明に使った図に、健康食品を加えたのが図表3-3です。例えば残留農薬の安全性試験においては、動物の体重増加抑制(体重の増え方がコントロール群より少ないこと。体重が減っていることではない)は有害影響とみなされるので、その影響が出ない量のさらに100分の1がADIとなります。

ところが、サプリメントでは体重の増加が抑制されることは望ましい「効果」とみなされることが多いのです。

畝山智香子 著
たとえ同じ物質であっても、残留農薬や食品添加物と「分類」されていれば、まったく影響のない量の100分の1より少なくても「有害影響があるかもしれない」と心配する一方で、いわゆる健康食品に分類されれば動物での有害影響(体重増加抑制)が出る量以上に摂ってしまっているのです。
ちなみに体重が「減る」というのは極めて大きな毒性なので、そのような効果を謳った製品には絶対に手を出さないでください。食べて体重が減るようなものは、食品ではなくただの毒です。
実際世界中で、ときに死亡を含む消費者の健康被害がもっとも頻繁に報告されているのは、ダイエタリーサプリメントを含むいわゆる健康食品です。日本でも死亡例があります。