
2024年に起きた小林製薬の紅麹サプリによる健康被害は、死亡者も出す甚大なものとなった。この事件を受けて、薬学博士である畝山智香子氏はサプリメントについて警鐘を鳴らすべく本書を執筆したという。健康になりたくて服用していたはずのサプリなどの健康食品が、健康被害をもたらしてしまう…そのリスクを解説する。本稿は、畝山智香子『サプリメントの不都合な真実』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
ひと粒にシジミ100個分!?
普通の食事と比較してみよう
サプリメントなどの健康食品は一般的に普通の食品よりはリスクが高いですが、リスクが高くなる理由はいくつかあります。製品によってリスクの大きさはさまざまです。
もしもどうしても健康食品を使用したい場合、その製品のリスクを判断するための目安として、リスクが高くなる要因を知っておくのがいいでしょう。当てはまる項目が多ければ多いほど、注意が必要だということになります。
健康食品のなかには、普通の食生活からは摂ることがないであろう量を摂取することになるものがあります。
一番わかりやすいのは、一回摂取量を普通の食事で食べる量と比較することです。「ひと粒にシジミ100個分のX成分が入っています」と宣伝する錠剤があったとして、普通の料理の1人前にはそんなにシジミが入っているでしょうか?