紅麹の場合、実際に効果があったという人がいるようです。それは処方薬として使用されているロバスタチンと同じ成分を、効果が出る量摂取したことを意味します。
つまり、サプリメントが効果を発揮するには、医薬品並みの注意が必要だということになります。
医薬品の場合、一般用のものであっても添付文書というものが必ず付いていて、そこに副作用や注意すべき事項が記載されています。スタチン系の医薬品であれば、禁忌(次の患者には投与しないこと)として過敏症の既往歴のある患者、妊婦または妊娠している可能性のある女性および授乳婦が挙げられています。
また重大な副作用として横紋筋融解症、肝機能障害、血小板減少、間質性肺炎、ミオパチー、末梢神経障害、過敏症状など、その他の副作用として皮膚の発疹、そう痒、蕁麻疹、胃不快感、下痢、腹痛、肝臓LDH上昇、ALP上昇、尿酸値上昇、尿潜血などが記載されているでしょう。
注意書きが小さすぎて見えない…
持病がある人に伝わらないリスク
健康食品で宣伝されている健康への効果効能には多様なものがあります。例えば、食物繊維を多く含むのでおなかの調子を整えるとか、虫歯になりにくいキシリトールを使用している、といった商品は、持病のある人に特にアピールすることはないでしょう。
しかし、コレステロールが下がるとか血圧を下げるといった効果の宣伝は、コレステロールや血圧が高い人にアピールするため、持病のある人が手に取りやすくなると思います。
実際、小林製薬の紅麹製品は商品パッケージに「悪玉コレステロールを下げる」「L/H比を下げる」と表示し、「LDLコレステロールが高めの方に」向けて販売されました。コレステロールが高いほかはまったく健康な人、というのはどうやって確認するのでしょうか。
コレステロールが高い状態が長く続いている人は、自分では気がつかないうちに心血管系や肝臓などに何らかの異常があるかもしれません。実際には明確に持病があって、病院で薬をもらっていながら健康食品を使っている人が多いことが各種調査で報告されています。