1988年、40歳で本塁打王と打点王の2冠に輝きMVPを獲得すると、「不惑の大砲」ともてはやされました。ただし、日本酒の一升瓶を2日で空けてしまうほどの酒豪。現役時代は毎日、指立て伏せを何百回もしていたとか。キャンプ前には減量のため、1カ月間ゆで卵と野菜しか食べないというダイエットで体調を維持し、「車を運転すると試合前から神経を使い、試合に悪影響を及ぼす」と電車通勤をしていました。野球が好きな人ほど、野球から離れると自暴自棄になることが多いのかもしれません。

消息が途絶える選手
殺人に走ってしまった選手も……

 一方、現役時代の派手な生活が保てなくなり、悪事に手を染める名選手もいます。あえて名前を伏せますが、その代表がロッテの元エースだったA。通算23勝ながら、故障のない間はローテーションを守るエース格でした。引退後もロッテ球団に残り、トレーニングコーチなどをしていましたが、前妻に支払う離婚慰謝料などの借金を抱え、入団時に両親に預けた契約金、両親が働いて稼いだ貯金がその返済に消えました。

 02年には消費者金融などからの借金が1750万円に達したという理由で、球団を解雇。新聞の求人広告で知った産業廃棄物処理会社に就職して営業部長をしていましたが、04年11月に借金の無心のために勤務先の会長宅を訪ね、これを断った家政婦を殺害し逮捕されました。計画的殺人として、06年東京高等裁判所判決でも第一審と同じく無期懲役判決を受けています。

 パ・リーグ選手の晩年には悲哀な話が多いのですが、人気球団の巨人軍があるセ・リーグ゙には、若い間に不祥事を起こし、消息が途絶える選手が目立ちます。たとえば、清掃業務で出入りしていた個人宅から腕時計を盗んだとして、香川県警に逮捕された巨人の元投手、B(巨人ドラフト1位)。野球賭博疑惑で球団を追放された挙げ句、生活苦で盗みに走ったようです。

 さらに、平安高校の打撃力のある捕手として巨人の3位指名を受けたCは、タクシー強盗を働きました。その他、ドラフト1位で入団しながら、成績不振で失踪したまま行方がわからない選手や、同じくドラフト1位で活躍できないまま引退、暴行事件を起こして消息不明の選手もいます。高校出で世間知らずのまま、いきなり人気球団に入団してチヤホヤされ、遊びばかり覚えた結果でしょう。