朝に太陽光を浴びることで
夜の睡眠の質が高まる
先ほど説明したように、生物にはサーカディアンリズムと呼ばれる体内時計があります。私たち人間のサーカディアンリズムは、24時間よりも少しだけ長いといわれています。
そこには、自律神経の安定を促すセロトニンという神経伝達物質と、脳の松果体から分泌されるメラトニンという睡眠ホルモンが大きく関わっています。このセロトニンとメラトニンは、それぞれが体内で生み出されるタイミングと密接に結びついていて、夜に眠り、朝に起きるリズムをつくっています。
セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、日中に分泌されやすく、時間をかけてメラトニンの原料になっていきます。そして夜になると、メラトニンに変換されます。このメラトニンが眠気を生み出します。
こうしたサイクルが繰り返されることによって、私たちは夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるのです。

白濱龍太郎 著
セロトニンは太陽光を感知することで分泌が増え、夜は減少します。反対に、メラトニンは太陽光を浴びると減少し、夜は増加します。
そこで朝に夜の睡眠の質を高めるためにやってほしいのが、近所を散歩するなど、太陽光を浴びながら軽い運動をすること。それが自律神経のバランスを整えるセロトニンの分泌を促すことになるからです。
朝のうちにしっかり太陽光を浴びると、体内時計が調整されます。
太陽光に直接当たらなくても、強めの光を見るだけで効果はあります。雨の日や外出しない日には、起きてから4時間以内、午前中のうちに窓から外の景色を眺めてみてください。