望み通りになってもストレスはある

2、変化をチャンスと捉える

 一時的な変化をどう受け止めるかは結局、自分の気持ちのありようと写し鏡である。希望に合わない配属だと感じても、その企業の社員でいることにメリットを感じているのであれば、「この配属には必ず意味がある」と信じて前に進むことができる。

 もちろん、その配属をきっかけに「この会社は自分の居場所ではない」と決断する人もいるだろう。それはそれで、変化による前進であると捉えるべきだ。

 ありきたりな話になるが、大切なのは変化を恐れないことだ。ある若手社員は、「自分の望むような変化にもストレスは伴う」ことに気づいてから、変化に前向きになれたのだという。

 どういうことかといえば、例えば自分が望んだように人事異動が叶った場合でも、「結果を出せるだろうか」といったプレッシャーは付きまとう。どうであれ人は変化によるストレスや緊張感を感じないことは難しいのだ。

 だからこそ「なぜ自分は変化に弱いのか」と思い悩むのではなく、誰にとってもストレスや緊張があることを前提に考えると、逆に変化を楽しむ余裕が生まれてくる。 

3、社外のネットワークを広げる

 変化を楽しむための一つの方法として、社外のネットワーク拡充が挙げられる。一つの企業の中に長くいると、企業風土に馴染んでいく代わりにどうしても視野が狭まりやすい。

「常識とは18歳までに積み上げられた先入観(偏見)のコレクション」とはアインシュタインの言葉だが、自分のいる企業の「常識」が社会一般とは良くも悪くも異なるということはある。それに気づくためにも、企業人間になりそうな可能性のある人ほど、社外とのコミュニケーションが必要だ。

 社外のネットワークというと異業種交流会やセミナーなどが思い浮かび、こういったものの名前を聞くだけで苦手意識が動く人もいるだろう。しかしネットワークとは多岐にわたるものであり、例えば趣味を通じて出会った人との交流が、直接ビジネスとはつながらなくとも、視野を広げるために有効であることもある。

 社外の世界にも目が向くようになると、社内評価自体を客観的・俯瞰的に捉えることができるようになる。