「評価に振り回されない人」が考えている、たった1つのこと
能力を求められすぎなのでは?という疑問
ここでひとつ疑問が湧く。そもそも、スキルや能力を求められすぎなのではないかという疑問である。
そもそも、なぜ現代のビジネスパーソンにはこれほど高いスキルが求められるのか。それは、社会の変化のスピードがかつてないほど速くなっているからだ。テクノロジーの進化、ビジネスモデルの多様化、グローバル化――これらの波が押し寄せる中で、企業は「昨日までのやり方」では生き残れない。
そのため、個々のビジネスパーソンにも、単なる業務遂行能力だけではなく、適応力やイノベーション力が求められるようになった。
かつては業績や勤続年数が主な指標だったが、今や一人のビジネスパーソンに求められるスキルや能力は限りがない。専門性、俯瞰的視野多様性の理解と適応力、コミュニケーション力、イノベーション力と適応力、リーダーシップとフォロワーシップ……。
ひとつひとつ数えていけば数限りないし、評価軸も昔と比べて複雑になってしまった。
さらに言えば、このような時代となっても組織内での評価とはスキルや能力を純然と判断されるわけではなく、そこには人間的な感情がセットである場合が多い。社内での「政治力」が物を言うことが往々にしてある。
真面目なビジネスパーソンほど個々のスキルを伸ばそうと努力するが、評価する側の経営層が旧態依然としている場合もある。変化の大きな時代において、そもそもトップ層が変化していないこともあるからだ。
それでも、評価に振り回されず、自分を見失わないためにはどうすればいいのか。結局のところ、評価は一定の目安に過ぎないという冷めた目線を自分の中に持っておくことかもしれない。