英語を勉強しているが、英会話の上達を実感できない――そんな人に試してほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えることができる。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に英会話上達のためのアドバイスを聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

自信が持てないのは、「間違えてはいけない」という学習文化のせい
―― 単語や文法はある程度わかっていても、いざ外国人を前にすると言葉が出てこない。そう感じたことがある人は多いのではないでしょうか?
森秀夫(以下、森):そうですね。実際、AI英会話アプリ「スピーク」を運営するスピークジャパンが行った調査でも、約8割の日本人が「外国人を相手にすると、自分の言いたいことをうまく英語で伝えられる自信がない」と回答しています。
出所:スピークジャパン合同会社,「日本人の英語、実は訪日外国人は理解できている説を検証!結果、日本人の英会話ポテンシャルの高さが判明!」PR TIMES, 2025年3月31日(参照:2025年4月9日)
これは「完璧に話さなければいけない」という意識が強く影響しているのだと思います。
日本の英語教育はインプット中心です。文法や単語の暗記には多くの時間をかけますが、実際に英語を「話す」機会は限られています。
学校ではテスト対策が重視されるため、「正解を出す」「間違えてはいけない」という意識が強くなってしまいます。
結果として、必要以上に英会話にプレッシャーを感じてしまう人が多いのではないでしょうか。
実は「日本人の英語」はきちんと伝わっている!
―― とはいえ、たどたどしい英語でも本当に伝わるのでしょうか?
森:同じくスピークジャパンの調査では、約7割の訪日外国人が「日本人の英語はわかりやすい」と答えています。つまり、私たちが思っている以上に、日本人の英語は伝わっているんです。
自分の英語が相手に伝わったという成功体験が不足しているからこそ、「自分は話せない」と思い込んでしまっています。実は、それこそが最大の壁なんです。
中学英語でOK!毎日アウトプットする習慣を
―― では、どうすれば英会話力をアップできるのでしょうか?
森:ぜひ覚えておいてほしいのは、難しい言い回しを覚えるより、シンプルな文章を声に出して何度も練習する方が、はるかに効果的だということです。
自分の英語に自信がない人は、中学英語の基本的な表現を、繰り返し声に出すことから始めることをおすすめします。
中学英語であれば、短時間で一気におさらいできるので、たっぷりアウトプットに時間をかけることができます。難しい知識は、ほとんどありません。
私たちの日本語の会話も、簡単な言葉で成り立っていますよね。英語だって、シンプルな言葉でしっかり気持ちや考えを伝えることができるんです。
完璧に話そうとする必要はありません。むしろ、間違いを恐れずに話してみることが、英会話力向上の第一歩なのです。