そしてそのためにはなにより、まずあなた自身がギバーであること。
上昇志向の強い人のなかにはついテイカーに走ってしまうケースも少なくありません。自分を高めたい。だからあれも欲しい、これも欲しい。自己中心的な、まさにテイカーそのものです。
そのあり方で一時的、短期的には得をすることもあるかもしれません。でももっとも大切な信頼を失ってしまう。人はひとりではなにもできない。周りから人が去ってしまうことが最悪の悲劇です。
とにかく、まずは与えましょう。できることからでいいので与えることをしていきましょう。
僕とすがけん(編集部注/経営アドバイザーの菅原健一)さんがパーソナリティを務めるPodcast番組「厚利少売ラジオ」でもお話ししましたが、僕が移住したシリコンバレーはギバーであるというのが基本姿勢です。正直最初はとても驚きました。普通のカフェで話をしていても、夢のような大きな話を持ち出し、それを真剣に聞き、「どのように力になれるのか」を話し合っています。その関係性はお互いを認め合い、高め合うことを基本にしています。
あなたにとって真に大切なものは、他者がもたらしてくれます。ひとりで実現できることなんてたかが知れている。だからこそ、自分から他人の力になり、力になってもらえる人を周りに増やしていくこと。実は、ギブすることは「情けは人の為ならず」の精神でもあります。
見返りを求めず、与え続けること。そうすれば、そのギブはめぐりめぐってあなたのもとに返ってきます。その返ってくるのは直接的ではないことも多いです。その人との関係性のなかで返ってくることのほうが少ないかもしれない。でも、大きく見ると必ず返ってくる。そのことを確信しています。与えて生きることで、あなたは満たされていくのです。
ギバーとして生きる。それが自由に生きるためのあり方。正しい人生戦略です。