「不機嫌」は悪循環を生むだけ
自分の機嫌は自分でととのえよう

 豊かで円滑な人間関係を育むうえでいちばん大切なことはなんでしょうか。それはひと言で言えば、上機嫌でいることです。

 いつも上機嫌でいる人の周りには、不思議と人が集まります。笑顔や明るい声が醸し出す空気は、周囲に安心感を与え、自然と相手の心を開かせるからです。上機嫌とは、それ自体が最強のコミュニケーション戦略です。

 かたや不機嫌はあらゆる意味で最悪の態度でしょう。不機嫌をあらわにして相手に圧力をかける。気圧された相手はそれであなたのために動いてくれるかもしれない。でもその代償は高くつきます。

 最初は様子をうかがってくれた人も、しだいに「またか」と距離を置くようになり、誰も寄りつかなくなる。そして孤立してしまう。すると不機嫌に拍車がかかるでしょう。さらに高圧的な態度になり、いっそう孤立は深まります。救いようのない悪循環。人間関係は崩れていく一方です。

 誰しも生きていれば理不尽なこと、腹立たしいこと、思いどおりにいかないことはあります。人生とはそういうものです。ですからその種の不満といかに向き合うかが充実した日々を送る鍵になる。そのつど不機嫌になっても仕方ありません。それではなにも解決しないし、むしろ状況はどんどん悪化していきます。

 だから、兎にも角にも「不機嫌」は選ばないこと。自分の機嫌は自分で取ってください。

 不機嫌を取り除く方法はとても簡単です。自分で自分を満たす方法を身につけることです。それは、運動をする。美味しいご飯を食べる。そしてたっぷり眠る。それだけです。

 考えてみてください。あなたも誰かと口論になったことがあるでしょう。そのときあなたのコンディションはよかったですか?寝不足、疲れ、ストレスがたまっていませんでしたか?きっとたまっていたはずです。

 仕事に追われて睡眠時間を削った結果、イライラがつのって感情的になる。旅先で疲れがたまり、普段は抑えられるはずの言葉が口をついて出る。