スピード感のある決済や
メンバーとの交流が可能

「サボり時間」があることで、リーダーは次のようなことができます。

1 ボトルネックにならずに済む

 リーダーだからこその仕事、「決裁」。これは、誰も代わりができないうえに、決裁が遅れてしまうと、その分、部下や後輩の業務が進まなくなる、他社へとられてしまうという事態が起きかねません。

 リーダーが頑張れば頑張るほど、組織のボトルネックになってしまうのです。これは不幸な状態です。「サボり時間」の確保でボトルネックにならずに済むのです。

2 メンバーとの信頼関係が高まる

 リーダーが予定でいっぱいになってしまうと、メンバーの相談に乗る時間がとれません。乗れたとしても時間外で対応するか、できるだけ簡潔に済ますことになってしまいます。

 実際、「部下が新規の企画を提案してきても、上層部の説得が面倒だから無理だと断ったことがある」「いつも忙しそうな雰囲気を醸し出しているため、部下が連絡も、相談もしに来ない」といった声をよくリーダーたちから聞くのですが、彼らは決まってそのあと、「でも、しょうがないですよね」と続けます。状況を受け入れてしまっているのです。

 しかし、こんな対応を日々続けていては、部下はリーダーに相談できないどころか、信頼することもできません。1on1ミーティングのときだけ、「何でも聞くよ」といった雰囲気を出しても、部下からすると「パフォーマンスばかり」と感じ、どんどん心が離れていってしまうでしょう。さらに、部下とのコミュニケーションが簡潔になればなるほど、部下はリーダーの考え方を知ることができなくなってしまいます。

 部下と向き合う時間を確保することで、部下と信頼関係を築くことができるうえに、部下の成長を促すこともできるのです。

3 長期的視野を持った仕事ができる

 ビジネス環境の変化のスピードが激しい現代では、常に新しいビジネスを考えていかなければなりません。

 予定をあらかじめ組むとなると、つい目の前の仕事を優先にしてしまいがちです。

 やることが決まっていない「サボり時間」を設けることで、長期的な仕事に目を向け、取り組むことができるようになります。