体が小さいうちは
「人と比べない声かけ」を
アンケートから、子どもが早生まれであることによる影響を、親は主に「体格・体力・スポーツで不利」という部分で感じていることがわかりました。
そのような中で、幼少期の家庭や学校での評価が「体格・体力・スポーツ」を中心としているならば、早生まれ族は褒められることが減り、自己肯定感の低下につながる可能性があります。
これは親が感じているだけではありません。徒競走やリレーを通じて、足が遅い子や運動が苦手な子は、悔しい思いをしていることが多いかもしれません。人の目にさらされるというつらさもあります。このような状況がもしかすると、早生まれ族に劣等感を与えているかもしれません。
物理的に体が大きければ、少なくとも子どもの頃は、周りよりできることが多くなると思います。3月末に生まれた早生まれの子のあるお母さんは、小児科の先生に「うちの息子、早生まれですけど大丈夫でしょうか?」と聞いたところ、「これだけ丸々していれば大丈夫です」といわれたとか。幼い頃は、体の大きさは1つの安心材料になるのかもしれません。
一方で体が小さいと、気持ち的に引いてしまうこともあるかもしれません。そのような学年の中での無意識の優劣が、自己肯定感へ反映されていく可能性もありそうです。
ここで早生まれ族を育てる親ができることは、まずは適切な声かけをすることです。
特に体格や体力差があるうちは、周囲と比較しても仕方ありませんし、運動面で褒める場面を見つけるのが難しいこともあります。
では、どのように褒めればいいのか。
実は褒め方にもコツがあるのです。
自己肯定感を高める褒め方(1)
「結果」ではなく「努力」を褒める
「徒競走でビリのとき、どう褒めればいいの?」
そんな風に思われた方はもしかすると、いつも「結果」にフォーカスしているのではないでしょうか。「結果」だけを見ていると、確かに褒める部分は限られてしまいます。実は脳科学的には、「結果」や「状態」を褒めることは必ずしも良い成果を生まないことがわかっています。
結論をいえば、褒めるべきは「努力」です。
ちょっと根性論のように思われるかもしれませんが、これは科学が証明していることなのです。
1位だったから、100点をとったからと、その「結果」だけを褒めていると、人はできることしかしなくなってしまいます。