AGA(男性ホルモン型脱毛症)治療薬が効くことは医学的に証明されています。ですから世界的に認可され、厚労省にも認められています(ちなみにAGA治療薬の副作用はホルモン療法で対応できます)。
これらは自費治療のため高価なイメージがあるかもしれませんが、たとえばAGA治療薬の服薬なら月7000円ほどで、あとは症状に応じて外用薬がプラスされる程度です。
たしかに市販の育毛剤よりは割高かもしれませんが、効果がハッキリしていることを考えると、費用面の若干の負担増はいたし方ないでしょう。
またシワの改善には「ボツリヌストキシン(いわゆるボトックス)治療」が有効です。私もコロナ禍以前は、定期的に施術を受けていました。これはボツリヌス菌のつくり出す筋弛緩作用のある天然のタンパク質を、緊張している筋肉に注射し、シワを軽減する治療です。
老けて見える60代は
タンパク質が足りていない
効果が確証されていない化粧品や美容術に投資するよりも、このように世界中の国々で効果が認められたものに使うべきです。
ズバリ言うと、民間療法などではなく美容皮膚科を受診したほうがいいに決まっています。そのほうがムダな投資にはなりませんから。ただし、ときに効き過ぎなどの副作用はあります。
それも、できれば早いうちからスタートできれば理想的です。
60代を超えたあたりから、“見た目年齢”の個人差が、一気に広がります。しかも、その差は、年齢を重ねるにしたがって、その後、ますます開いてきます。
顔の肌つやがよく、皮膚に張りのある方もいれば、顔も皮膚もくすみ、シワばかり目立つ方もいます。そんな“見た目年齢”が老け込んだ60代の患者さんと話すとき、感じることがあります。「タンパク質が足りていない」ということです。
実際話を聞いてみると、そのとおりということがよくあります。
アメリカで「心筋梗塞の原因になるから肉を減らせ」と提唱され出したのは1980年代のことです。当時のアメリカ人は1日に300gの肉を食べていました。
一方、当時の日本人は70gしか食べていませんでした。それなのに日本の医者たちは「肉を減らせ」と言ったのです。
今でも日本人は100gしか肉を食べていません。タンパク質は肌や筋肉、血管の材料になります。そういうものを摂らないのは危険です。