もうすぐゴールデンウィーク。韓国特集などを見て、「韓国旅行に行きたい」「韓国でおいしいご飯が食べたいなぁ」と、韓国に興味を持っている人もいるかもしれない。そんな人におすすめなのが、『ゼロからわかる! 楽しく続けられる! 韓国語1年生』(ハングルノート加藤著)だ。韓国語の勉強法はもちろんのこと、韓国旅行に行ったら使えるフレーズや、韓国旅行に必要なもの、韓国のおすすめグルメや観光スポット満載の1冊。「こんな本がほしかった」「とにかくわかりやすくて楽しい」「本当にゼロからわかる、初心者におすすめの1冊」と話題になっている一冊。今回は著者のハングルノート加藤氏に「韓国に持ち込めないもの」について話を聞いた。

韓国には持ち込めない市販薬がある!?
海外旅行に行くとき、ふだん使っている市販の薬ならなんでも持っていっていいと思っていませんか?
じつは渡航先によっては持ち込めない薬があるので、要注意です。
今回は、韓国には持ち込めない「日本の薬」についてご紹介します。
「解熱鎮痛薬」が一部持ち込み禁止に
2025年4月、日本のエスエス製薬の解熱鎮痛薬シリーズ「イブ」(EVE)が韓国へ持ち込み禁止となりました。
同薬が韓国の「法律で定められた麻薬類成分481種」のうちの1つ、「アリルイソプロピルアセチル尿素」の成分を含んでいるためです。
2025年3月、韓国関税局が発表したところによると、韓国国内では、麻薬類成分が含まれている風邪薬など、不法医薬品の摘発量が直近の5年間で43倍にも急増していました。
麻薬類成分が含まれている薬の情報を知らずに多くの人が持ち込んだりしているため、麻薬類成分を含む不法医薬品の搬入の取り締まりの強化が行われたというわけです。
しかし、韓国国内では、「アリルイソプロピルアセチル尿素」が含まれた商品「クナレンQ(그날엔Q)」はふつうに販売されています。
なぜ「イブ」はダメで、「クナレンQ」はOKなのでしょうか?
「麻薬類成分」の量が少なければ例外的に許容されている薬もある
韓国で販売されている「クナレンQ」の場合、薬に含まれている「アリルイソプロピルアセチル尿素」は30mg。これは、イブクイック頭痛薬やイブA錠などに含まれる含有量の半分です。
さらに製造工程や1日服用基準値含量など、「食品医薬品安全処(식약처)」の条件をクリアしているため、「アリルイソプロピルアセチル尿素」が含まれていても依存性は低いとして韓国国内の販売は問題ないとされているのです。
「法律で定められた麻薬類成分481種」に含まれている成分とは?
韓国の「法律で定められた麻薬類成分481種」の中には、「アリルイソプロピルアセチル尿素」以外にも、風邪薬に含まれる「コデイン」や「デキストロメトルファン」、睡眠薬や精神安定剤に含まれる「アルプラゾラム」や「ゾルピデム」といった成分が麻薬類成分に定められています。
これらの成分が入った薬などが持ち込み禁止されています。
「お土産に持って帰れなくて残念…」。韓国でも「日本の薬」が人気の理由
韓国旅行者はお土産として日本の市販薬や湿布などを購入する人も多く、「イブ」(EVE)は大人気です。
お土産として喜ばれる理由の一つとして、「薬の即効性」があげられます。
韓国では「韓方(ハンバン)医療(中国の伝統医学を韓国独自に発展させたもの)」を受ける人も多いのですが、韓方は漢方のように、効果を感じるまで少し時間がかかります。そこで、効果の即効性が期待できる日本の薬が喜ばれているようです。
今回の「アリルイソプロピルアセチル尿素」が含まれている薬の持ち込み禁止は、韓国旅行する日本人だけでなく、日本に韓国旅行にくる韓国人も困惑しています。
「日本で買っても持ち帰ることができないのか……」と残念がる声も散見されました。
韓国旅行の前に、使いたい薬を持ち込めるか確認しよう
韓国旅行に行く際は、急な体調悪化などのときのために、いつも飲んでいる薬や自分に合う処方薬・市販薬を持っていくのはおすすめです。
ただし、渡航する前に製薬会社のホームページなどで持ち込みたい薬の成分を調べるなど、事前にチェックしておくといいでしょう。
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