「おばあちゃんの知恵袋」と呼ばれるような、家庭や地域に伝わる昔ながらの知恵。なかでも、身近な食材や植物を使って体のちょっとした不調を回復へと導く“自然のくすり”は、様々な体調不良に悩まされがちな現代こそ、日常的に取り入れたいものばかりです。書籍『昔の知恵からはじめる 回復のためのレシピ』は、そんな“自然のくすり”を約110種収録しています。そのなかから、すいかを煮詰めて作る「すいか糖」を著者の山田奈美さんに教えてもらいます。(撮影:中村寛史、栄養監修:管理栄養士 星穂奈美)
利尿作用で知られていたすいか

水分やカリウムを多く含むすいかは、古くから利尿作用やむくみ解消効果で知られていました。その果肉を煮詰めた「すいか糖」は、明治時代には“腎臓病の妙薬”として販売されていたそうです。家庭でも作られており、私の祖母も母が子どもの頃によく作っていたと聞いています。
「すいか糖」

様々な作り方が伝わっていますが、私は有効な成分が豊富に含まれる皮や種ごとミキサーにかけて汁を絞り、エキスにしています。ヘラでかき混ぜながら弱火でじっくり煮詰めて保存しておき、不調を感じたとき、1日数回舐めるようにしています。(カリウム制限のある人は摂取量に注意が必要です)
書籍『昔の知恵からはじめる 回復のためのレシピ』には、この「すいか糖」をはじめ、昔ながらの知恵を多く収録しています。現代の私たちが取り入れやすいよう、食材の組み合わせのアレンジや新しいレシピの提案もしていますので、体に不調を感じたときぜひ試してみてください。
(本稿は書籍『昔の知恵からはじめる 回復のためのレシピ』の一部抜粋・編集したものです)