「もはや別物だった…」トヨタ・ヤリスクロスのGRスポーツに乗って驚いたこと【試乗記】GRスポーツはステアリング操作にリニアに反応する操縦性と軽快な回頭性を実現。意のままの走りが楽しめる。その乗り味はドイツ車のような骨太な雰囲気。走るほどにGRチューンを実感

GRスポーツは走りを磨いた本格派

 ヤリスクロスはユーティリティ、快適性、走りのすべてが高いレベルに仕上げられた実力派。中でも個性が明確なのはGRスポーツである。

 GRスポーツは、走りはもちろん、内外装にも手を加えたスポーティグレード。エクステリアはフォグランプベゼルとリアディフューザーの意匠を変更。メッシュタイプのラジエターグリルとリアバンパーロアカバーは専用品だ。ワイド&ローなスタンスは素直にカッコいい。切削光輝の18インチアルミホイールも目を引く。

 インテリアも精悍だ。シートはヌバックと合皮を組み合わせたスポーティ形状。各部の加飾部はグロスを抑えたダークメタリック塗装に統一された。

 注目は走りである。GRらしい“走りの味”を目指し、GRヤリスの開発ドライバーがチューニングを担当。パワートレーンからシャシーまで細かく手を加えた。それでいて価格は標準モデルの最上級グレードと大差ない。試乗車はハイブリッド車である。

 GRスポーツの走りの一体感は抜群。ドライビングが実に楽しい。ずっとステアリングを握っていたくなる気持ちよさを感じた。ベース車はそつなくまとまっている半面、あまり印象に残る部分がなかった。だがGRスポーツは明らかに違う。