新型の造形はコンセプトカーのiXで初めて紹介されたBMWの最新デザイン言語に基づいている。

 インテリアの変貌ぶりも鮮烈である。メーターディスプレイとセンターディスプレイを一体化するとともに、視認性を高めるためにこれらを湾曲してレイアウトしたBMW自慢のカーブドディスプレイを採用。表示されるグラフィックデザインも個性的だが、ダッシュボード回りの物理スイッチを極力減らすとともに、エアコン吹き出し口のサイズを極小化してスッキリとした印象を生み出している。また、幅広のアンビエントライトにはクリスタルを思わせる装飾を施し、それ自体をデザイン上のアクセントとして用いるアイデアも斬新である。

BMW X3 20d xDrive M Sportドライバーの操作にリニアに応える走りはさすがBMW。運転支援機能も充実しており、条件が揃えばハンズフリー走行も可能。X3はハイペースでロングツーリングを楽しめるSUVの筆頭

一段とピュアなドライバーズカーに成長。
プレミアムを実感

 見た目は大胆に生まれ変わった新型X3だが、実際にステアリングを握ると、実にBMWらしく、ストレートな進化を遂げていることに気づく。

 試乗したのは4気筒ディーゼルを積む20d。ディーゼルといえば、始動時にエンジンが「ブルブルブルッ!」と大きく身震いすることですぐに気づくものだが、20dはマイルドハイブリッド・システムの高回転・高出力モーターで始動する。

 その結果、ノイズや振動を感じることなく、何ごともなかったかのようにエンジンがアイドリングを始める点が好ましい。そして走行中は、スロットルレスポンスの遅れを電気モーターが補ってくれるため、ディーゼル特有の振る舞いはゼロに等しい。

 軽く乾いたエンジン音、素早い回転の立ち上がりも、ディーゼルとは思えないポイントだ。パフォーマンスは実に素晴らしい。