こう振り返ると、助言、というか、完全に生みの親である。「ロゴを作る」「編集もやる」は、さすがにやさしすぎる。

 なんでそこまでしてくれるのか、と尋ねたら「なんか、報われてほしいじゃん」と言われ、飲んでいたカフェラテが少し甘く感じられた、というのは嘘すぎるが、やさしさが沁みた瞬間だった。

飛永さんをきっかけに
活動が広がってゆく

 実際に飛永さんはロゴをデザインし、それをタグとして発注し、本当にユーチューブまで開設してくれた。チャンネル内で販売したTシャツやパーカーなどもすべて、飛永さんのデザイン。そして、いまだに編集やサムネ作りまでやってくれている。

 その後、ユーチューブを見たtomoki yuritaというデザイナーさんが「塚本くんに必要だろうから」とロックミシンを貸してくれたり、同じくユーチューブを見た編集者さんがこうして「本にしませんか?」と声をかけてくれたり。

 どれも飛永さんきっかけ。偉大すぎます……。

 なかでもyuritaさんとは今、生地の縫い方や買うべきミシンのレクチャーを受けたり、ときには逆に、息子さんの学校での出しものの相談を受けたりする仲になっている。

 こうしてまわりに生かされまくりながら、日々の活動を続けているわけです。心から、感謝感謝の世界。

 書籍化の打ち合わせ中「『塚本ミシン』の名前はどこかに大きく入れときたいですよねー」と編集者さんが言っていた。飛永さんが笑いながら口走ったものがここまできたのかと思うと、感慨深いとかじゃなくて、超幸せなのである。

劇団ひとりが突然楽屋に「やっと会えたよ!」「なんの話かわかるかぁ?」異常なハイテンションのワケ飛永さんが作ってくれた「塚本ミシン」のロゴ 同書より転載 撮影/加賀翔(かが屋)

ロッチ・コカドさんと
ミシンでつながる

 ミシンを始めて数ヵ月が経ったときのこと。

 ライブの楽屋で「しずる」村上さんから「ロッチのコカドさんもミシンやってんだよ」と教えてもらった。インスタライブで配信をしながら、ミシン作業をしているとのこと。