「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「3.25時間=3時間25分」だと思ってない!?…数字に弱い人がしがちな致命的な1つのミスPhoto: Adobe Stock

3.25時間は、3時間25分ではない

「3.25時間」

これ、何時間何分か、即答できますか?まさかと思いますが、「3時間25分」なんて答えてないですよね…?

実は、3.25時間という表記は「3時間15分」を意味します。なぜなら0.25時間は【15分】だからです(0.25×60分)。

時間の計算には思わぬ落とし穴があります。単純に、小数点以下を「分」としてしまうと、0.25時間を25分と誤解してしまいがち。

このちょっとした計算ミスは、日常のさまざまな場面で影響を及ぼすかもしれません。

たとえば労働時間の管理やタイムシートを記入するとき。「3.25」とメモしておいて、後で「3時間25分働いた」と計算してしまうと、実際より10分長く働いたことになってしまいます。あるいは、会議の時間を見積もる場面でも「3.75時間=3時間45分」を正しく捉えずに「3時間75分?」なんて混乱が起きることも。こうした数字の扱いに慣れていないと、小さなズレが積み重なって大きなミスにつながるかもしれません。

数字に強い人は、数字の「意味」を考える

数字に強い人は、時間を、アナログ時計の針で理解している人も多いことでしょう。0.25時間は、つまり1時間の【25%分】。25%分は【4分の1】ですから、90度の角度のところです。すなわち、15分のところ…、と、自然に変換できるので、3.25が「3時間15分」になるのは当然と理解できるわけです。

一方、数字に弱い人は「3.25」と見ても、どのくらいの分数に相当するかすぐにピンとこない。結果として、曖昧に“25分”と読み間違えたり、タイムスケジュールをざっくり書き込んでしまったりします。

結局、“3.25時間を3時間25分と勘違いしない”ためには、時間の単位換算をしっかり理解しているかどうかがポイント。「時間」を「分」に直すには、60を掛け算するのでしたね。

もちろん、常に正確に計算するのは面倒だと感じる方もいるかもしれません。しかし、「0.1時間=6分」「0.25時間=15分」のように、よく使う時間の小数表記だけでも覚えておくと、スムーズに換算できるようになりますよ。

数字に強い人は、目にした小数を「分数」に置き換えるクセが身についているため、逆算や見積もりもスムーズです。逆に数字に弱い人は、小さな勘違いから予定が狂ったり、余計な労力を割いたりしがち。ちょっとした意識付けだけで、時間管理や計算の精度はグッと上がるはずです。この機会に時間換算の計算を復習してみましょう。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)