断言できます。絶対にできません。情報が圧倒的に不足しているからです。

「さっきのお客様」は誰なのか。「要望」とは、どういうものなのか。

「全社イベント」とは、どういうものなのか。何人くらい参加するのか。仕切るというのは、どこまでやることなのか。

「売り上げ」とは、何の売り上げなのか。「向上」とはどの程度なのか。3割なのか、2倍なのか。また、何カ月後をターゲットにしているのか。

 当たり前ですが、こうした情報がなければ、手の打ちようがないわけです。

 何を普通のことを言っているのだ、と思うかもしれません。

 しかし、「どうしていいかわからない」「なにから手を付ければいいのだ」というときは、同じような状況になっています。

 問題や事象がふわふわしていて抽象度が高い状態だと、つかみどころ・捉えどころがなく、どのように取り扱えばいいのかがわからないのです。

「文章」を「言葉」に
分解してみよう

 私のチームで、実際にあった事例をご紹介しましょう。

 業務改善について討議している際に、チームメンバーから次の「課題」と「打ち手」のセットが提出されたことがあります。

課題:アウトプットイメージが共有されていないので、作業後にズレていることが判明して手戻る
打ち手:依頼されたら、アウトプットイメージを速攻で打ち返す

 この打ち手を見て、どう思いますか?

 何を言っているのかよくわからないですよね。言っている本人も、よくわかっていませんでした。

 そこで「文章」を「言葉」に要素分解していきます。

 つまり、「依頼されたら」「アウトプットイメージを」「速攻で」「打ち返す」ですね。

 これを整理すると

1. 「依頼されたら」「打ち返す」
2. 「アウトプットイメージを」「打ち返す」
3. 「速攻で」「打ち返す」

 という構造になっています。

 この構造に向き合って考えると、

1.「依頼されたら」「打ち返す」
→ 依頼されることが前提になっているが、それで良いのか?

2.「アウトプットイメージを」「打ち返す」
→“アウトプットイメージ”って具体的に、どういうものを指しているの?

3.「速攻で」「打ち返す」
→この話において、スピードって重要なの? 仮に、重要だとして、どれくらいが “速攻”なの?

 というような疑問が出てきます。