頭の悪い若者は「人と会うのってコスパ悪くない?」と言う。じゃあ、頭のいい考え方とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

頭の悪い若者は「人と会うのってコスパ悪くない?」と言う。じゃあ、頭のいい考え方は?Photo: Adobe Stock

他人と違う考えを許容しよう

 多様な働き方が進む中、世の中は、「やる気のない人に関わるのはコスパが悪い」と思い始めています。

 無気力な人々に時間を割かなくなり、その事実に本人が気づくことは難しいことです。

 なぜなら、指摘してくれる人がもう誰もいないからです。

 だからこそ、今の時代においては、「自分を律するストイックさ」と、他人と違う考えを許容しする「ゆるさ」を同時に持つ必要があります。

 その姿勢こそが、「ゆるストイック」の本質です。

「複数のコミュニティ」に属する

「ゆるストイック」に生きる上で、実際に「人と会う機会を作ること」は非常に重要です。

 そのため、複数のコミュニティに属すようにしましょう
 職場や趣味のコミュニティ、地元のグループ……など。

 異なる集団に積極的に参加することで、「孤独」というサバンナ時代から受け継がれてきた不安感を和らげ、心身のバランスを保ちながら生活を充実させることができます。

 複数のコミュニティに属することは、現代社会での精神的な安心感を高め、私たちの本能に寄り添った生活を支えてくれるのです。

 つまり、本当に自律している状態というのは、「たくさんの依存先がある」という状態なのです。

 人と会うことに対して「コスパが悪い」と考えて、人との交流を避けるのは、一見、効率的な選択のように思えるかもしれません。
 しかし、実はそれが最も「コスパの悪い選択」だとも言えます
 若者に多い特徴かもしれませんが、非常に頭の悪い考え方なのです。

人に頼るのが「ゆるストイック」

 孤独は、心身に多大な負担をかけ、免疫力の低下やストレスの増加といった健康リスクを高めることが研究でもわかっています。

 また、困難やトラブルが生じた際に頼れる人がいないと、自己解決するためにより多くのエネルギーが必要となり、結果として負担が増すことになります。

 人間は、本質的に「群れ」で生きる生き物です
 現代でも人とつながることで得られる安心感や、コミュニティからのサポートは欠かせません。

 たとえ、表面的には「合理的」に見えなくても、人間関係は長期的に見れば、心身ともに健やかに過ごすための最もコスパのいい選択なのです。

 その状態なら、「ゆるストイック」で過ごすことがやりやすくなるでしょう。

佐藤航陽(さとう・かつあき)
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。