F:本当にベストを追い求めた結果が12個のスピーカーということですか?
秋:はい。そのシステムで求められる機能に合わせて「何が必要か」を考え抜いて決めていますので。正直な話、カタログに書く数字は増やした方が間違いなくいいですよ。その方がウケますから。でもじゃあ同じ予算でスピーカーの数を増やしたら、1個1個のスピーカーの質を落とすしかなくなりますよね。それで良いのかと。
F:確かに。数が増えて素人ウケはするだろうけれども、音質が下がってしまったら元も子もない。
秋:それではカタログスペック重視で質を下げることになりかねません。本当に必要なものだけを入れなければ意味がない。
三菱自動車工業 商品戦略本部 CPSチーム(Light Commercial Vehicle)商品企画 担当マネージャー 矢口信之さん(以下、矢):むやみにスピーカーを増やさない方が良いというのが我々の判断です。企画目線で言うと、正直コストのことも考えなければいけません。今回の12個というのは、コストと性能のベスト解だと思っています。

最上級オーディオへの変更は20万円。高い?安い?
F:一式いくらという言い方はできますか?
矢:アウトランダーは最上級グレードのPエグゼクティブパッケージに12スピーカー+デュアルアンプの「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」、M、G、Pに8スピーカーの「Dynamic Sound Yamaha Premium」を標準装備しています。GとPはメーカーオプションで「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」への変更が可能で、差額として19万8000円(税込)という設計にしています。
F:標準のプラスアルファで20万弱。結構しますね......。
AD高橋:いやいやフェルさん。高級車載オーディオは100万、200万(円)が当たり前の世界ですから。
F:ひぃぃ。クルマが買えるじゃない。スピーカー8個が12個に5割増し。これで音はかなり変わるものなのですか?
矢:それはもう大変に変わります。スピーカーだけでなく、アンプも普通のヘッドユニットのオーディオアンプを使って音を出しますので、ものすごく変わります。