のぶは教師を経て真理に達していた

本来新聞は真実を伝える仕事であるにもかかわらず、新聞社は国に言われるままに記事を書いてきた。東海林もまた、のぶと同じことに悩んでいたのだ。「新聞を信用してない」「嘘まみれの新聞」と言う。
子どもたちに、検証することなく、国のいうままを教えてきたのぶは今や、記者は何が正しいか問い続けるしかないという真理に達していた。それには東海林も感じ入るものがあったようで、夕刊では、市民たちの嘘偽りのない生の声、戦後の今を生きる人々の声にならない声を伝えていこうと方針を決めた。
「否定されるがを恐れるな。記者の鉄則や」とのぶに教え込む東海林。
東海林の「記者の鉄則」が最終的に幾つになるか数えていきたい。
夕刊の準備にのぶが焼け残った紙を探してきたが、御免与町では嵩(北村匠海)が健太郎(高橋文哉)と廃品回収した雑貨を売る仕事を始めていた。廃品回収で、離れた2人を関連付ける工夫を感じる。
なんとコン太(櫻井健人)も戻ってきていて一緒にやっている。「コン太も仲間に入りました」と語り(林田理沙)であっさり。
ゴミで感じる国力
廃品は進駐軍の捨てたもので、まだ捨てなくても良さそうなものがゴミになっていくのを見て嵩は日本が負けたわけを実感する。ゴミで感じる国力の違いはなかなか新しい。食べ物や文化で感じるパターンはよくあるがゴミとは。
捨てられたランプシェードも洒落たものだ。こういうのが令和のいま、おしゃれなアンティーク雑貨として価値あるものになっている。
日本のランプシェードはもっとシンプル。新聞社にも、たくさん下がってる。でもこっちも今やおしゃれなアンティークである。
しょげていた嵩は廃品の中にあった雑誌HOPEの漫画を見て、みるみる楽しそうな顔になる。北村匠海の表情の変化が巧い。